【前編】 “リアル”南葛SCの宮澤弘が胸に秘める2021年関東サッカーリーグ2部得点王の矜持
昇格1年目の関東サッカーリーグ2部で2位。この好結果を振り返る上で宮澤弘の存在抜きには語れない。
12ゴール・4アシスト。昨シーズン東京都社会人サッカーリーグ1部でアシスト王に輝いた男は今シーズン、カテゴリをひとつ挙げた舞台で今度は得点王に輝いた。
南葛SCに来て2年目。コンスタントに結果を残し続ける背番号41は、いかにして自らのプレースタイルを確立させたのか。その「核」に迫る。
――◆――◆――
東京・足立区の実家の近くには公園があり、そこには大きなコンクリートの壁があった。南葛SCの宮澤弘のプレースタイルはこの壁によって形作られたといっていい。
「幼い頃から、その壁に向かっていつもボールを蹴ってたんです。普通ならドリブルとかしそうじゃないですか。でも僕はずっとボールを蹴っていて。だからシュートなどキックは自信があるんです」
昨シーズンは東京都社会人サッカーリーグ1部でアシスト王、そして今シーズンは関東サッカーリーグ2部で得点王。本人のキャリアを振り返れば、2011年山口国体少年男子の部で千葉県代表として出場し得点王、そして仙台大では東北地区大学サッカーリーグで1年時に得点王、4年時にアシスト王を獲得している。得点を演出できれば自ら決めることもできる。まさに少年時代から培ったキックを武器にチームを勝利に導くキープレーヤーだ。
「毎シーズン10ゴール・10アシストなどと目標を決めていて。個人タイトルを狙っているわけではなく、とにかくゴールに関わるプレーをたくさんしたいと心がけています」
昨シーズンはゴールよりアシストが多く、今シーズンはアシストよりゴールが多かった理由も自分では分かっているようだ。
「南葛SCには(佐々木)竜太くんという絶対的ストライカーがいて。だから昨シーズンはゴールを決めてもらえばよかった。でも彼が今シーズン、前期2節でケガをしてしまった。僕もシーズン当初からケガで開幕には間に合わず。でも、竜太君と入れ替わるように前期3節から自分にチャンスが巡ってきて。チームで一番得点を取っていた人がいなくなってしまい、代わりに誰かがその役割を担わなきゃいけない。その時が“点を取らないと”という意識が強まるきっかけになった」
そして、シーズン初出場となった前期3節のさいたまSC戦でいきなりハットトリック。
「2021年シーズンに入って、リーグ戦以外の公式戦で全然点を取れてなくモヤモヤ感があった中、得点できたのはすごく大きかったです」
この試合での1点目、そしてその後の後期7節の東京国際大戦での先制ゴール。ともに右サイドからカットインして、ペナルティエリア角付近から放った左足シュートが個人的に印象に残っているゴールだ。
「チームメイトには試合の時はシュートうまいよね、って言われてます。練習の時はめちゃめちゃ止められるので(笑)」と言うが、シュート技術の評価は高い。そしてシュートへの意識も高く感じられる。
「誰でもそうかもしれませんが、ゴールを決め続けると自信が湧いてくるもので。逆にゴールを決められないとシュートを撃つのが怖くなってしまいます。ゴールを決め続けられたぶん、シュートの意識は高くなっていたかもしれません」
心がけているのは、目の前に相手DFがいたとしても意図的にシュートを撃つこと。普通ならためらいそうなところだが、GKからすればDFがブラインドになる。自分の間合いやタイミングだけでなく、相手の立ち位置や視界も頭に入れながら判断することは、小学生の頃からずっと前線のポジションの選手を続けてきた中で考え、吸収し、鍛えてきた感覚だ。
12ゴール・4アシスト。昨シーズン東京都社会人サッカーリーグ1部でアシスト王に輝いた男は今シーズン、カテゴリをひとつ挙げた舞台で今度は得点王に輝いた。
南葛SCに来て2年目。コンスタントに結果を残し続ける背番号41は、いかにして自らのプレースタイルを確立させたのか。その「核」に迫る。
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東京・足立区の実家の近くには公園があり、そこには大きなコンクリートの壁があった。南葛SCの宮澤弘のプレースタイルはこの壁によって形作られたといっていい。
「幼い頃から、その壁に向かっていつもボールを蹴ってたんです。普通ならドリブルとかしそうじゃないですか。でも僕はずっとボールを蹴っていて。だからシュートなどキックは自信があるんです」
昨シーズンは東京都社会人サッカーリーグ1部でアシスト王、そして今シーズンは関東サッカーリーグ2部で得点王。本人のキャリアを振り返れば、2011年山口国体少年男子の部で千葉県代表として出場し得点王、そして仙台大では東北地区大学サッカーリーグで1年時に得点王、4年時にアシスト王を獲得している。得点を演出できれば自ら決めることもできる。まさに少年時代から培ったキックを武器にチームを勝利に導くキープレーヤーだ。
「毎シーズン10ゴール・10アシストなどと目標を決めていて。個人タイトルを狙っているわけではなく、とにかくゴールに関わるプレーをたくさんしたいと心がけています」
昨シーズンはゴールよりアシストが多く、今シーズンはアシストよりゴールが多かった理由も自分では分かっているようだ。
「南葛SCには(佐々木)竜太くんという絶対的ストライカーがいて。だから昨シーズンはゴールを決めてもらえばよかった。でも彼が今シーズン、前期2節でケガをしてしまった。僕もシーズン当初からケガで開幕には間に合わず。でも、竜太君と入れ替わるように前期3節から自分にチャンスが巡ってきて。チームで一番得点を取っていた人がいなくなってしまい、代わりに誰かがその役割を担わなきゃいけない。その時が“点を取らないと”という意識が強まるきっかけになった」
そして、シーズン初出場となった前期3節のさいたまSC戦でいきなりハットトリック。
「2021年シーズンに入って、リーグ戦以外の公式戦で全然点を取れてなくモヤモヤ感があった中、得点できたのはすごく大きかったです」
この試合での1点目、そしてその後の後期7節の東京国際大戦での先制ゴール。ともに右サイドからカットインして、ペナルティエリア角付近から放った左足シュートが個人的に印象に残っているゴールだ。
「チームメイトには試合の時はシュートうまいよね、って言われてます。練習の時はめちゃめちゃ止められるので(笑)」と言うが、シュート技術の評価は高い。そしてシュートへの意識も高く感じられる。
「誰でもそうかもしれませんが、ゴールを決め続けると自信が湧いてくるもので。逆にゴールを決められないとシュートを撃つのが怖くなってしまいます。ゴールを決め続けられたぶん、シュートの意識は高くなっていたかもしれません」
心がけているのは、目の前に相手DFがいたとしても意図的にシュートを撃つこと。普通ならためらいそうなところだが、GKからすればDFがブラインドになる。自分の間合いやタイミングだけでなく、相手の立ち位置や視界も頭に入れながら判断することは、小学生の頃からずっと前線のポジションの選手を続けてきた中で考え、吸収し、鍛えてきた感覚だ。