100回大会だからこそ、この言葉に出会えた。
思い浮かんだフレーズが、曲名である『懐かしい未来』(2022年1月1日に配信スタート)だった。森山さんは「もともと自分の中にあったフレージング」だと明かす。以前、愛してやまないバルセロナの本拠地カンプ・ノウを訪れた際、不思議な感覚に見舞われたと回顧する。
「未来って遠い先にある感覚だけど、実はその未来ってものがすごい懐かしい瞬間ってあるじゃないですか。バルセロナに行ったとき、クラシコの前の日だったんですけど、現地でバルサのサポーターのみんなと言葉も通じないのに、和気あいあいと酒を飲んでいた。そしたら、涙が出てきた瞬間があったんです。もしかしたら、僕はこの場所にいつかいたかもしれない。無性に懐かしい瞬間に思えたんですよね。
すごく大切なひとに出会ったときとか、一度しか訪れていない場所なんだけど、急に自分の心が安心するような、魂が喜ぶような瞬間。人間、生きているとたまにある。今回の選手のみなさんや携わる人だったり、自分自身を含めて、懐かしい未来の中にみんなが生きているのではないか。未来っていうのは遠いことではなくて、自分たちがいつか通り過ぎた過去。照らし合わせてみると、なんかすごく景色が見えてきたんです。重くて長い歴史がある100回大会だからこそ、この言葉に出会えた。きっかけをいただいたんだと思います」
森山さんがサッカーに没頭していた少年時代は、もちろんJリーグは誕生しておらず、日本代表もワールドカップ予選で敗退を繰り返していた頃だ。
情報を仕入れるのはもっぱらサッカー専門誌や、テレビ東京で放映されていた「ダイヤモンドサッカー」が頼み。「30分番組でしたけど毎週楽しみでしたね。ワールドカップのアルゼンチン戦かな、前半が終わったら実況の金子(勝彦)さんが『それでは後半は来週』って。1週間またぐのかよ! 今じゃ考えられない、冬の時代ですよね」と、懐かしそうに笑みを浮かべる。
「未来って遠い先にある感覚だけど、実はその未来ってものがすごい懐かしい瞬間ってあるじゃないですか。バルセロナに行ったとき、クラシコの前の日だったんですけど、現地でバルサのサポーターのみんなと言葉も通じないのに、和気あいあいと酒を飲んでいた。そしたら、涙が出てきた瞬間があったんです。もしかしたら、僕はこの場所にいつかいたかもしれない。無性に懐かしい瞬間に思えたんですよね。
すごく大切なひとに出会ったときとか、一度しか訪れていない場所なんだけど、急に自分の心が安心するような、魂が喜ぶような瞬間。人間、生きているとたまにある。今回の選手のみなさんや携わる人だったり、自分自身を含めて、懐かしい未来の中にみんなが生きているのではないか。未来っていうのは遠いことではなくて、自分たちがいつか通り過ぎた過去。照らし合わせてみると、なんかすごく景色が見えてきたんです。重くて長い歴史がある100回大会だからこそ、この言葉に出会えた。きっかけをいただいたんだと思います」
森山さんがサッカーに没頭していた少年時代は、もちろんJリーグは誕生しておらず、日本代表もワールドカップ予選で敗退を繰り返していた頃だ。
情報を仕入れるのはもっぱらサッカー専門誌や、テレビ東京で放映されていた「ダイヤモンドサッカー」が頼み。「30分番組でしたけど毎週楽しみでしたね。ワールドカップのアルゼンチン戦かな、前半が終わったら実況の金子(勝彦)さんが『それでは後半は来週』って。1週間またぐのかよ! 今じゃ考えられない、冬の時代ですよね」と、懐かしそうに笑みを浮かべる。
だからこそ、当時の高校サッカーには特別な役割があったと言い切る。
「まだクラブチームという概念がないセミアマの時代、まさに新人発掘の舞台でしたよね。さらにJリーグ発足時のいわば、下部組織的な役割をなしていたのは紛れもなく高校サッカーでした。甲子園も同じだけど、すごく日本的な文化だと思う。それが今もなお、クラブサッカーと拮抗するような存在なのだからすごいですよ。今はJのアカデミーで上がれなかった選手が、高校に行ってリベンジする場所だったりもするじゃないですか。
高校サッカーがなければ、今のJリーグはない。国立競技場の芝が黄色くて、チアホーンが鳴り響いている時代、その懐かしさの中を通って現代の高校サッカーを見ている。だから愛好家としても、今回の100回大会に携われてすごく嬉しい。サッカーダイジェストの取材もむちゃくちゃ嬉しいですよ(笑)」
「まだクラブチームという概念がないセミアマの時代、まさに新人発掘の舞台でしたよね。さらにJリーグ発足時のいわば、下部組織的な役割をなしていたのは紛れもなく高校サッカーでした。甲子園も同じだけど、すごく日本的な文化だと思う。それが今もなお、クラブサッカーと拮抗するような存在なのだからすごいですよ。今はJのアカデミーで上がれなかった選手が、高校に行ってリベンジする場所だったりもするじゃないですか。
高校サッカーがなければ、今のJリーグはない。国立競技場の芝が黄色くて、チアホーンが鳴り響いている時代、その懐かしさの中を通って現代の高校サッカーを見ている。だから愛好家としても、今回の100回大会に携われてすごく嬉しい。サッカーダイジェストの取材もむちゃくちゃ嬉しいですよ(笑)」