【千葉】12戦負けなし。終盤戦で示したベースアップと若手の確かな成長

カテゴリ:Jリーグ

加茂郁実

2021年11月30日

髙橋はマルチプレーヤーぶりを発揮。得点能力も

終盤戦に調子の良さを見せた千葉。来季につなげられるか。(C)SOCCER DIGEST

画像を見る

 もう一人の成長株は髙橋だ。

「2021シーズンに関しては、出場時間数、先発の数が少ないので満足していない」と、話すが、チームにとっては非常に貴重な存在だった。CBの選手が少ないため、紅白戦や練習試合では本職のボランチよりも、CBでプレーすることが多かった。公式戦では、試合途中から左のウイングバック、トップ下、3ボランチの一角、ダブルボランチ、そして3バック(しかも、中央、左、右といずれも経験)と、あらゆるポジションでプレー。

「技術がしっかりとしているので、どこのポジションに入っても、高いレベルでプレーできる」(末吉塁)と、チームメイトも信頼を寄せる。
 3バックの中央と右はトレーニングや練習試合でもほぼ経験なかったが大きな問題なくプレー。驚いたのは左で先発出場した32節の松本戦だ。守備はもちろんのこと、パス出し、末吉の活かし方が抜群だった。42分に脳震盪のため交代となったが、あのポジションで90分間プレーを見たかった。特に左サイドに入った時の左足の使い方は絶妙。意識的ではなく、自然と左足を主としたボールさばきをするので、そのプレーを見るだけでも価値があるだろう。そして、「ここで点が欲しい」という場面ではしっかりとゴール。アウェーの31節の群馬戦でユン・ジョンファン監督は、「シュート力があるから1本狙ってほしい」と、髙橋を送り出し、見事にその期待に応えた。

 そんな髙橋に、「チームメイトである見木選手のすごいところを挙げてほしい」と、お願いしたところ、一瞬、間があいて、「味方でも悔しいからな」と、前置きをし、「もちろん、攻撃に関しては、上手な部分、力強い部分、相手を見る部分、特にすごいなって思っていましたけれど」とコメント。「悔しい」と素直に表現できる純粋さと、負けられないという気持ちが見えた一瞬だった。

 櫻川ソロモンの成長も含め、リーグ終盤に向けて上向きとなった点は明るい材料だが、J1から4チームが降格して争う、2022シーズンの昇格争いは今年以上に熾烈になるのは間違いない。今年のベースを強固なものにしながらも、さらなるチーム、クラブとしての成長が必要だ。

取材・文●加茂郁実(フリーライター)
【関連記事】
【セルジオ越後】大久保の191点を超えるには何が必要?阿部の経験値はすぐ生かされない? 元代表選手の引退で見えてくるもの
【私が見た阿部勇樹】口数は多くないが周囲を魅了する人柄。今でも千葉を気にかけ
【私が見た阿部勇樹】当初は想像できなかったキャプテンの姿。感じられた精神面の成長
【私が見た阿部勇樹】最高潮は2010年…“ルーニー潰し”が窮地の岡田ジャパンを救うきっかけに
ジェフユナイテッド市原・千葉が2022シーズンの新ユニフォームを発表!

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト 唯一無二の決定版!
    2月15日発売
    2024 J1&J2&J3
    選手名鑑
    60クラブを完全網羅!
    データ満載のNo.1名鑑
    詳細はこちら

  • 週刊サッカーダイジェスト いざW杯予選へ!
    3月8日発売
    元代表戦士、識者らと考える
    日本代表の現在地と未来
    2026年へのポイントは?
    J1&J2全クラブ戦力値チェックも
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 夏の移籍を先取り調査!
    3月21日発売
    大シャッフルの予感
    SUMMER TRANSFER
    夏の移籍丸わかり
    完全攻略本2024
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ