【岩本輝雄】“17歳”中野伸哉の秘めたる可能性。東京五輪経由カタール行きもあり得る!?

カテゴリ:連載・コラム

岩本輝雄

2021年03月21日

球際でも激しく戦えて、1対1で簡単に負けない

U-24代表に抜擢された中野。17歳だけどJ1の舞台でも堂々とプレーして、存在感を発揮している俊英だ。写真:塚本凜平(サッカーダイジェスト写真部)

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 U-24アルゼンチン代表と対戦するU-24日本代表が発表された。久保建英や三笘薫、堂安律といったメンバーが順当に選ばれるなか、“17歳”のDF中野伸哉が選出されたね。

 今季は開幕から4勝1分の無敗で快進撃を見せているサガン鳥栖で、不動のレギュラーとして活躍している俊英だ。昨季に続き、鳥栖U-18所属の2種登録でありながら、もはや欠かせない重要戦力として存在感を放っている。

 現時点で負けなしの鳥栖だけど、特筆すべきは、リーグで唯一まだひとつの失点もしていないこと。その堅守に貢献しているひとりが中野。それを考えれば、選ばれて当然と言ってもいいかもしれない。

 世代別代表の常連で、国際舞台の経験も豊富。左利きで鋭いクロスに定評があるけど、右足のキックも問題ない。鳥栖では4バックの左SBや3バックの左ストッパー、流れの中で左ウイングバックもこなす。いずれのポジションでもハードワークできて、攻守の両局面に積極的に絡み、効果的なプレーを見せる。

 複数のポジションをこなせるから、戦術家で知られる金明輝監督のタクティカルなサッカーにもハマっているよね。五輪代表でも、複数のシステムを使い分ける森保一監督の下で重用されそうだ。

 まだ線の細さは否めず、攻め上がったあとの戻りが遅い時も見受けられる。その点は今後の課題だとしても、意外と言ったら失礼だけど、球際でも激しく戦えて、1対1で簡単に負けない逞しさがある。
 
 海外の選手との試合では、やっぱり個の勝負がより重視される。1対1でガツガツ行けるか。そこで勝てるか。中野は十分に戦える選手だと思う。

 その実力はJリーグですでに証明済み。飛び級で選ばれた代表チームで、どれだけのパフォーマンスを示すことができるか。17歳の中野が活躍すれば、同年代の選手にとっても刺激になり、Jリーグもさらに盛り上がるはず。

 そうした若手の意識の変化は、長い目で見れば日本サッカーの底上げにもつながってくる。今回の中野のメンバー入りには、そういうメッセージもこめられているんじゃないかな。扉は誰にでも開かれている。第二、第三の中野が出てくると面白いね。
 
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