「デュッセルドルフがなくなったことは残念な気持ちでいっぱいで…」
昨年から続く新型コロナウィルス感染症拡大の影響は今年も大きく出てしまっている。選手権の優秀メンバーをメインに構成される日本高校選抜も例外ではなく、恒例行事となっている2月の静岡ヤングフェスティバルと、4月にドイツで開催予定だったデュッセルドルフ国際ユース大会が相次いで中止。中でもデュッセルドルフの大会は、このチームの最終ターゲットとなるはずだっただけに、「本当に楽しみにしていて、デュッセルドルフがなくなったことは残念な気持ちでいっぱい。正直、どうやって選手たちに高校選抜の活動のモチベーションを上げてもらおうか考えていた」と蒲原晶昭監督も落胆の色を隠せなかった。
しかし、この苦しい状況下で事態は大きく動いた。中野雄二・全日本大学サッカー連盟副理事長やJFAの林義規競技会委員長など、活動する場を失った高校選抜に対し、埼玉で3月3日から行なわれる大学地域選抜の対抗戦、第35回デンソーチャレンジサッカー(以下・デンチャレ)への参加を決めたのだった。
「中野さんや林さんなどの関係各所の方々がこの大会の参加を提案していただいた時には、本当に大きな経験になると思いましたし、このチームの大きなモチベーションにつながりました」
しかし、この苦しい状況下で事態は大きく動いた。中野雄二・全日本大学サッカー連盟副理事長やJFAの林義規競技会委員長など、活動する場を失った高校選抜に対し、埼玉で3月3日から行なわれる大学地域選抜の対抗戦、第35回デンソーチャレンジサッカー(以下・デンチャレ)への参加を決めたのだった。
「中野さんや林さんなどの関係各所の方々がこの大会の参加を提案していただいた時には、本当に大きな経験になると思いましたし、このチームの大きなモチベーションにつながりました」
対戦する相手は全て大学生で、その中でも各地域の優秀な選手を集めた大学選抜。全ての相手が格上であり、かつ高1の選手からすれば大学3年生もおり、実に5学年差もある。しかも45分ハーフのゲームで全体の強度やプレースピードなど、どの相手と戦ってもこの上ない経験になることは間違い無いだけに、ショックを受けていたチームにとって大きな光となったのは間違いない。
迎えた初戦、相手は関西選抜。プロ注目の選手が多く揃っている相手に、風上に立った前半から一気に攻勢に出ると、いきなり試合を動かした。9分、右MF荒井悠汰と右サイドバックの内田陽介の右サイドのコンビネーションから崩すと、内田のクロスにニアで1年生FW福田師王が冷静に蹴り込んで、日本高校選抜が先制に成功をした。
「選手たちは相手が大学生であろうと関係ないという雰囲気でやってくれたので、立ち上がりのところから『これはやってくれるぞ』と感じていました」