「世界の入り口」を濃厚に感じさせた17歳
2020年も残すところあとわずか。新型コロナウイルス感染拡大の影響で異例の状況が続くサッカー界だが、ここでは日本サッカーに精通する識者に、今年一年で顕著な活躍を見せた日本人選手の中から、ベストイレブンとMVPを選出していただいた。スポーツライターの小宮良之氏が選んだ“2020年の11人”の顔ぶれは――。
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コロナ禍で価値観まで一変する中、「新時代」を予感させた“ルーキー”を中心に2020年ベスト11に選出した。
GKは2020年のJリーグで最も地殻変動が起こったポジションだが、中でも鹿島アントラーズの沖悠哉の防御は非凡だった。反応の鋭さや出足の速さは抜群で、21歳で鹿島のゴールを守った意味は大きい。
SBは異彩を放つ選手が出てきた。右はFC東京の中村拓海。状況を瞬時に見極め、適切な判断で高い技術を出せ、東京の攻め手になっていた。一方、左はサガン鳥栖の中野伸哉。17歳は今年一番の衝撃だった。ボールの引き出し方だけで入れ替わるようなセンスは、すでにリーグのトップ選手レベル。「世界の入り口」を濃厚に感じさせた。
CBは、セレッソ大阪の瀬古歩夢がヨニッチと組むことで、精度も洗練されてきた。左CBの人材は世界的に多くなく、今シーズンの新人王に値する。もう一人は、すでに海を渡った冨安健洋の名前を挙げたい。セリエAで日本人CBが活躍するというのは隔世の感がある。
ボランチは、川崎の田中碧がセンスを見せつけた。予測で上回って相手よりも早く動けるし、それを周りにも伝播させられる。川崎のサッカーを動かし、MVP級の活躍。もう一人は橋本拳人で、彼はMVPのところで触れる。
サイドアタッカーは、横浜FCの松尾祐介、セレッソの坂元達裕の二人。松尾は左からゴールに迫った。ゴールに近づくと精度が落ちるドリブラーは多いが、彼は落ちない。坂元は左右どちらからも抜け出せるため、的を絞らせず、得点につなげ、戦術を完結させていた。
トップ下は、やはり久保建英。スペイン1年目でその名を高めた。10代でスペインのクラブの主軸は革命的で、ビジャレアルでの苦難も糧だ。
トップは上田綺世。FWに必要な資質を全て持ち合わせる。リーグ後半にはエヴェラウドとのコンビで得点を量産。ダイナミックなゴールは日本サッカーの希望だ。
東京五輪代表候補に近いが、新鋭台頭は日本サッカーの明るさ。彼らを育てた土壌を祝福すべきだ。
【画像】Jリーグアウォーズで表彰された11人は?
GKは2020年のJリーグで最も地殻変動が起こったポジションだが、中でも鹿島アントラーズの沖悠哉の防御は非凡だった。反応の鋭さや出足の速さは抜群で、21歳で鹿島のゴールを守った意味は大きい。
SBは異彩を放つ選手が出てきた。右はFC東京の中村拓海。状況を瞬時に見極め、適切な判断で高い技術を出せ、東京の攻め手になっていた。一方、左はサガン鳥栖の中野伸哉。17歳は今年一番の衝撃だった。ボールの引き出し方だけで入れ替わるようなセンスは、すでにリーグのトップ選手レベル。「世界の入り口」を濃厚に感じさせた。
CBは、セレッソ大阪の瀬古歩夢がヨニッチと組むことで、精度も洗練されてきた。左CBの人材は世界的に多くなく、今シーズンの新人王に値する。もう一人は、すでに海を渡った冨安健洋の名前を挙げたい。セリエAで日本人CBが活躍するというのは隔世の感がある。
ボランチは、川崎の田中碧がセンスを見せつけた。予測で上回って相手よりも早く動けるし、それを周りにも伝播させられる。川崎のサッカーを動かし、MVP級の活躍。もう一人は橋本拳人で、彼はMVPのところで触れる。
サイドアタッカーは、横浜FCの松尾祐介、セレッソの坂元達裕の二人。松尾は左からゴールに迫った。ゴールに近づくと精度が落ちるドリブラーは多いが、彼は落ちない。坂元は左右どちらからも抜け出せるため、的を絞らせず、得点につなげ、戦術を完結させていた。
トップ下は、やはり久保建英。スペイン1年目でその名を高めた。10代でスペインのクラブの主軸は革命的で、ビジャレアルでの苦難も糧だ。
トップは上田綺世。FWに必要な資質を全て持ち合わせる。リーグ後半にはエヴェラウドとのコンビで得点を量産。ダイナミックなゴールは日本サッカーの希望だ。
東京五輪代表候補に近いが、新鋭台頭は日本サッカーの明るさ。彼らを育てた土壌を祝福すべきだ。
【画像】Jリーグアウォーズで表彰された11人は?