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【現地発】宮市亮が見つけた新しいふるさと。ザンクト・パウリが59年ぶりのダービー勝利に熱狂した歴史的な夜

カテゴリ:連載・コラム

中野吉之伴

2019年09月21日

ホームで59年ぶりにもぎ取ったダービー勝利

ホームでの勝利に、ザンクト・パウリの選手とサポーターは熱狂した。 (C) Getty Images

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 東京タワーの完成、日本でカラーテレビの放送開始、日米新安保条約の調印。

 この3つに共通することは何だろうか? これらは、みな1960年にあった出来事だ。昭和35年と聞くと、ものすごく大昔のように感じ、そのころと今とを直接結びつけるものとなると、なかなか思いつかないだろう。

 だが、ザンクト・パウリのオールドファンにとって、この1960年というのは忘れることのできない、とても思い出深い年だ。それは、本拠地を同じくするハンブルクとの”ハンブルク・ダービー”において、ホームスタジアムで最後に勝利した年なのだから。

 同じ町にあるクラブ同士が対戦するダービーという以上に、ハンブルクとのダービーは、ザンクト・パウリにとって存在意義をかけた魂の一戦だ。

 この両クラブの間には多くの相違点がある。ハンブルクには上流階級のファンが多く、そのため大きなスポンサーがつきやすい。一方のザンクト・パウリは、労働階級のファンが多く、どんな権力や差別に対しても毅然と立ち向かう象徴として、熱狂的に支持され続けている。

 とはいえ、資本力、選手層の差は大きい。そして、お互いが同じリーグで戦うことが少なく、ドイツにある他のダービーと比べると対戦自体は多くはない。

 ザンクト・パウリが最後に勝利した60年2月以来、両者の対戦は24試合にのぼる。戦績は、ハンブルクの15勝7分け2敗と圧倒的だ。

 だが、資本面でどれだけ多くの差をつけられようとも、戦力面でどれだけ厳しい現実を突きつけられようとも、ザンクト・パウリは決して屈することはない勝利への意欲を燃やし続けた。あれから59年間、ファンはずっとこの時を待ち続けていたのだ。

 ダービーマッチが行なわれた現地時間9月16日、ここまで無敗で首位を走っていたハンブルクを、ザンクト・パウリの気迫が完全に呑み込んだ。試合開始からファンの大声援を受けながら、どんな局面でも気を緩めず、身体をぶつけ合い、ギリギリまで粘る必死のプレーを披露した。

 18分、FWディミトリオス・ディアマンタコスが待望の先制ゴールを挙げると、2万9226人で埋め尽くされた超満員のスタジアムは、一段とボルテージを上げた。前半終了間際、ハンブルクはルーカス・ヒンターゼーアがゴールを決めたかと思われたが、直前のプレーでボールが外に出ていたという判定でゴールは認められず。逆に、ザンクト・パウリは後半、相手のオウンゴールで点差を広げた。
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