スタジアムを訪れるすべてのファンが熱狂的
今季のブンデスリーガはまだ3節が終了したところだが、すでにシーズン最大級のセンセーションが起こった。先の第3節で、2部からの“昇格組”のウニオン・ベルリンが、優勝候補のドルトムントに3-1で勝利したのだ。
ウニオンにとっては昨季の昇格劇がすでに大きなセンセーションだった。2部リーグ3位でフィニッシュしたウニオンは、ブンデスリーガを16位で終えたのシュツットガルトと入れ替え戦で対戦。ブンデス優勝歴もある名門相手なだけに、下馬評では不利とみられていた。が、ウニオンは粘り強く情熱的なサッカーで、見事にこの難関を突破してみせた。
当時、スタジアムには尋常ではないほどの熱狂が渦巻き、サポーターは歓喜の涙を流しながら、ひたすらにクラブの名前を叫んでいた。このクラブとファンとの絆は、とても強いのだ。
ブンデスリーガ56番目のクラブとして1部デビューを果たすことになったウニオンだが、つい最近まではとてもブンデスリーガ昇格を目指せるだけの資金も環境も整っていなかった。
ウニオンにとっては昨季の昇格劇がすでに大きなセンセーションだった。2部リーグ3位でフィニッシュしたウニオンは、ブンデスリーガを16位で終えたのシュツットガルトと入れ替え戦で対戦。ブンデス優勝歴もある名門相手なだけに、下馬評では不利とみられていた。が、ウニオンは粘り強く情熱的なサッカーで、見事にこの難関を突破してみせた。
当時、スタジアムには尋常ではないほどの熱狂が渦巻き、サポーターは歓喜の涙を流しながら、ひたすらにクラブの名前を叫んでいた。このクラブとファンとの絆は、とても強いのだ。
ブンデスリーガ56番目のクラブとして1部デビューを果たすことになったウニオンだが、つい最近まではとてもブンデスリーガ昇格を目指せるだけの資金も環境も整っていなかった。
遡れば10年ほど前まで、プロクラブらしい施設もほとんど備わっていなかった。当時のブンデスリーガクラブなら当たり前にあるはずの立派なロッカールームがなければ、サウナも水風呂もない。あるのは、夢に向かって走り続ける選手たちの熱さだった。
加えて、どのクラブにも熱狂的なファンは存在するが、ウニオンに関してはスタジアムを訪れるほぼすべての人が、クラブのためにすべてを捧げられる熱狂的なファンだ。
08年、ウニオンはスタジアムの改築工事を行った。その際、2000人のファンがこの工事を一緒に手伝い、のべ約14万時間を費やしたという。名実ともに、ファンの汗と涙とともに作り上げたスタジアムだ。
しかも、手伝ったファンは一銭も受け取らなかったという。ファンの膨れ上がった思いの結晶ともいえるアン・デア・アルテン・フェルステライは、当に特別な場所なのだ。
ブンデスの他クラブと異なる点はほかにもある。たとえば、試合前のスタメン発表。ドイツではスタジアムDJが選手の名前を叫び、ファンが名字を叫んで返すコール&レスポンスが一般的だが、ここでは違う。DJがフルネームを叫ぶと、ファンは「フースバルゴット!」と叫び返す。