“したたかな”ユーベにヤング・アヤックスはいかにぶつかるか?
現地時間4月10日に、チャンピオンズ・リーグ(CL)準々決勝の第1レグ、アヤックス対ユベントスが開催される。
この注目の一戦を、『ワールドサッカーダイジェスト』誌でお馴染みの現役イタリア人監督、ロベルト・ロッシ氏が鋭く分析。「戦術的ポイント」と「見どころ」を徹底的に解説してもらった。
――◆―――◆――
【試合の見どころ】
・アヤックスの流動的な攻撃
・ユーベの柔軟な戦術的対応力
・C・ロナウドのコンディション
一見するとユベントスが格上のように思えるが、実は最も力が拮抗しているカードだろう。
アヤックスは2シーズン前にヨーロッパリーグ準優勝をした若いチームを土台に、今シーズンはドゥシャン・タディッチ、ダレイ・ブリントという経験豊富な攻守の中軸を加え、近年にない「当たり年」となった。ポゼッション志向ながら、ワイドに張ったウイングの1対1突破を武器とするオランダ伝統の4-3-3ではなく、ゴールに向かって収束していくような中央からのコンビネーションでフィニッシュを目指す4-2-3-1が基本布陣だ。
ラセ・シェーネ、フレンキー・デヨング、ドニー・ファン・デベークの中盤3人に最前線から下りてくるタディッチを加えた4人が形成するダイヤモンドで攻撃を組み立て、前線のスペースに入り込んで来る左右のウイングがフィニッシュを担う、ダイナミックな攻撃が持ち味である。
この注目の一戦を、『ワールドサッカーダイジェスト』誌でお馴染みの現役イタリア人監督、ロベルト・ロッシ氏が鋭く分析。「戦術的ポイント」と「見どころ」を徹底的に解説してもらった。
――◆―――◆――
【試合の見どころ】
・アヤックスの流動的な攻撃
・ユーベの柔軟な戦術的対応力
・C・ロナウドのコンディション
一見するとユベントスが格上のように思えるが、実は最も力が拮抗しているカードだろう。
アヤックスは2シーズン前にヨーロッパリーグ準優勝をした若いチームを土台に、今シーズンはドゥシャン・タディッチ、ダレイ・ブリントという経験豊富な攻守の中軸を加え、近年にない「当たり年」となった。ポゼッション志向ながら、ワイドに張ったウイングの1対1突破を武器とするオランダ伝統の4-3-3ではなく、ゴールに向かって収束していくような中央からのコンビネーションでフィニッシュを目指す4-2-3-1が基本布陣だ。
ラセ・シェーネ、フレンキー・デヨング、ドニー・ファン・デベークの中盤3人に最前線から下りてくるタディッチを加えた4人が形成するダイヤモンドで攻撃を組み立て、前線のスペースに入り込んで来る左右のウイングがフィニッシュを担う、ダイナミックな攻撃が持ち味である。
試合運びの基本はポゼッションによるゲーム支配で、若いチームらしく主導権を握って勢いに乗った時は手がつけられない。ただ、受けに回った時の守備ブロックの安定度はさほどない。
対するユーベの狙いも、ハイプレスで組み立てを阻害しつつ、中盤の主導権を握って相手を押し込め、個のクオリティーの優位を武器にゴールを奪うという戦い方を用いるだろう。ラウンド・オブ 16 のアトレティコ戦で採用した可変システム(4-3-3の右インサイドハーフに置いたジャンをビルドアップ時に最終ラインまで落として3-4-2-1 に)が象徴する通り、システムと戦い方を相手と状況に応じて自在に使い分ける戦術的柔軟性の高さが際立つ。
そして、劣勢に陥っても、浮き足立たず落ち着いて耐え、好機を掴んで押し返せる成熟した“したたかさ”が大きな強みでもある。アヤックスが勢いづく前にその出鼻を挫き、怯んだところを一気に押し込むような駆け引きで、試合の流れをコントロールしながら戦うはずだ。
対するユーベの狙いも、ハイプレスで組み立てを阻害しつつ、中盤の主導権を握って相手を押し込め、個のクオリティーの優位を武器にゴールを奪うという戦い方を用いるだろう。ラウンド・オブ 16 のアトレティコ戦で採用した可変システム(4-3-3の右インサイドハーフに置いたジャンをビルドアップ時に最終ラインまで落として3-4-2-1 に)が象徴する通り、システムと戦い方を相手と状況に応じて自在に使い分ける戦術的柔軟性の高さが際立つ。
そして、劣勢に陥っても、浮き足立たず落ち着いて耐え、好機を掴んで押し返せる成熟した“したたかさ”が大きな強みでもある。アヤックスが勢いづく前にその出鼻を挫き、怯んだところを一気に押し込むような駆け引きで、試合の流れをコントロールしながら戦うはずだ。