攻守で大活躍を見せた古巣との一戦

今シーズン終了までのレンタルで加入した古巣で、伸び伸びとプレーするロデ。改めてその真価を示したのが、2年半の在籍期間で公式戦22試合出場と厳しい時を過ごしたドルトムントとの一戦だったのは、何たる偶然か……。 (C) Getty Images
ブンデスリーガ第20節、首位ドルトムントをホームに迎えたフランクフルトは前半22分、マルコ・ロイスに先制ゴールを許し、その後も立て続けにチャンスを作られていた。24分、26分にもロイスが連続で絶好機を迎えたが、最初のシュートは枠を外し、2つ目のシュートはクロスバーに嫌われた。
ホッとしたフランクフルトだが、試合の主導権は依然、ドルトムントが握っている。いつ2点目が入ってもおかしくない展開だった。
だが、試合は最終的に1-1の引き分けに終わった。
ホッとしたフランクフルトだが、試合の主導権は依然、ドルトムントが握っている。いつ2点目が入ってもおかしくない展開だった。
だが、試合は最終的に1-1の引き分けに終わった。
フランクフルトのアディ・ヒュッター監督は、試合後の記者会見で、満足げに以下のように語っている。
「素晴らしい試合だった。両チームともに、ダイナミックなプレーを見せた。ドルトムントは良いチームだ。現時点で最強チームとの試合だった。だが、厳しい展開からも勝ちを目指した。トップチーム相手に、今日はトップパフォーマンスを見せてくれたと思う。
幸運も必要。前半はそうだった。そんななかでも、前に攻めていくというメンタリティーを出せた。これからの試合でも、同じようにやっていきたい」
フランクフルトが持ち直すことができたのは、少ないチャンスからルカ・ヨビッチの素晴らしいダイレクトボレーで同点に追いついたのと、後半、守備のバランスが修正されたことが大きかった。
そんなチームで、ひときわ大きな役割を果たしていたのがセバスティアン・ロデだ。
ジェルソン・フェルナンデスとのダブルボランチでスタメン出場したロデは、中盤の底でプレーするに止まらず、豊富な運動量を武器に幅広い動きを見せていく。
前半、CBのマルティン・ヒンターエッガーとエバン・エヌディカのふたりが、ドルトムントのジェイドン・サンチョとラファエウ・ゲレイロに引っ張り出されてしまい、長谷部誠の両脇がぽっかり空いてしまうシーンが度々あったが、その都度、スペースを埋めるために猛ダッシュで戻っていたのがロデだった。
ハードながらフェアなボディーチャージで、何度もボールを奪取。危ないと思った時にはそこへ常に駆け付け、チームのピンチを救った。
また、守備だけではなく、攻撃でもスペースへの鋭いパスでチャンスを演出。同点の場面では、正確なCKからFWアンテ・レビッチのヘディングシュートを演出し、そこからの流れでゴールが生まれた。
ほんの数週間前までドルトムントの選手だったロデは今シーズン、セカンドチームで2試合出場しただけ。昨シーズンは負傷で長期離脱していたこともあり、出場はわずかに1試合だった。そんな状況で試合に飢えていたロデは、プレーできる喜びを噛みしめながら、ピッチ上を駆け巡った。