名古屋を蘇らせた今夏の新戦力たち。ドラマチックな逆転残留に彼らはなにを思ったのか

カテゴリ:Jリーグ

本田健介(サッカーダイジェスト)

2018年12月02日

丸山の目には涙が

湘南戦後には選手で記念撮影。喜びを分かち合った。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

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[J134節]名古屋2-2湘南/12月1日/パロ瑞穂
 
 湘南とのゲームを2-2で終えた時点でスタジアムには落胆ムードが漂っていた。全カードが同時刻に行なわれたJ1の最終節で、ひと足先にゲームを終えた名古屋は目指していた勝点3を獲得できず。他会場では残留を争うライバルの磐田と鳥栖がドローで試合を終えようとしていたため、名古屋はJ2との入れ替え戦出場が濃厚となっていた。
 
 しかし「他会場の情報は伝えていなかった」と風間八宏監督が振り返ったように、選手たちが戸惑うなか、ゴール裏のサポーターがざわつき始め、直後には歓喜の声が漏れる。川崎と対戦した13位の磐田が後半アディショナルタイムに失点して敗れたのだ。これで得失点差で磐田を上回った名古屋が逆転でJ1残留を決めた。
 
 J2から復帰した今季は、後半に2点のビハインドを追いついた湘南戦のように、まさにジェットコースターのような1年を過ごした。
 
 元セレソンFWジョーを獲得し、意気揚々と船出したチームは2勝1分とまずまずのスタートを切った。しかしその後は泥沼にはまり、リーグ戦では14戦未勝利を経験。ロシア・ワールドカップの中断に入るまでの15試合で手にできた勝点はわずか9。この時点でJ2降格が現実のものとなっていた。
 
 しかしそんな苦境からチームを救ったのが、CBの丸山祐市、中谷進之介、アタッカーの前田直輝、ボランチのエドゥアルド・ネットら夏に加入した新戦力だった。
 
 なかでも最終ラインの軸となった丸山は、好フィードで攻撃をサポートするなど攻守両面で大きく貢献。その活躍ぶりは風間監督やジョーが「日本代表に入るべき」と太鼓判を押すほどだった。
 
 ただ丸山は名古屋に加わってからの半年は、過度のプレッシャーと戦っていたようだ。残留を決めた湘南戦後には人知れず涙を流したが、その真意を少しおどけながら説明する。
 
「僕はここに来た理由のひとつにチームの残留があって、目標を達成できてひと安心しました。なんだろうな……歳をとりましたよね。涙もろくなっちゃって。泣くなんて大学のインカレの決勝以来なので自分もビックリしましたが、生きた心地がしない状況で戦ってきて結果を残せて、ふっと感情が出てしまったんだと思います。初めて残留争いを経験して、優勝争いとは違うプレッシャーがありました。でも選手たちはブレることなく戦い、順位が下でもサポーターの方はスタジアムを満員にしてくれるなど支えてくれました」
 
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