最初の２戦で決勝トーナメント（決勝T）進出を決め、最終戦ではイングランドを下して首位通過を果たしたベルギー。対して日本は、大会前には想像できなかった逞しい姿を見せて初戦でコロンビアを撃破、セネガル相手にも粘って引き分け、ポーランドには敗れたものの、フェアプレーポイントの差により２位でグループステージを突破した。
 
◇グループステージ成績
ベルギー
グループG１位：３勝・９得点２失点
〇３-０ パナマ
得点者：メルテンス、ルカク（２点）
○５-２ チュニジア
得点者：アザール（２点）、ルカク（２点）、バチュアイ
○１-０ イングランド
得点者：ヤヌザイ
 
日本
グループH２位：１勝１分け１敗・４得点４失点
○２-１ コロンビア
得点者：香川真司、大迫勇也
△２-２ セネガル
得点者：乾貴士、本田圭佑
×０-１ ポーランド

 
　日本とベルギーの対決といえば、何といっても2002年日韓大会、グループステージ初戦でのシーソーゲームが思い出される。ヴィルモッツのオーバーヘッドで先制されるも、鈴木隆行が精一杯に右足を伸ばして同点、さらに稲本潤一のドリブルシュートで勝ち越し。最終的に追いつかれたが、日本はW杯で初の勝点を手にし、そこから勢いづいていった。
 
　また、2013年の親善試合も会心のゲームだった。当時、ベルギーはタレント揃いのチームとして世界的に評価を受けていたが、日本はミスで先制されてから、連動した動きで相手の守備を崩し、柿谷曜一朗のヘッド、本田圭佑の右足シュート、そして柿谷のダイレクトパスで抜け出した岡崎慎司がトドメを刺した。
 
◇通算対戦成績＆結果
（ベルギーの）１勝２分け２敗
2017年　ベルギー １-０ 日本（親善試合）
2013年　ベルギー ２-３ 日本（親善試合）
2009年　日本 ４-０ ベルギー（親善試合）
2002年　日本 ２-２ ベルギー（W杯 GS）
1999年　日本 ０-０ ベルギー（親善試合）
※GS＝グループステージ
 
　意外にも両国との通算対戦成績では日本が２勝２分け１敗と勝ち越しているが、これはベルギーが90年代名半ばから長く低迷したこと、また親善試合ではメンバーを落としていたこともあって、今回の対決においては何ら有利な材料とはならない。
 
　ベルギーは今大会でも、最もタレント揃いのチームのひとつであり、また組織の熟成度の高さも大会屈指である。守備にやや不安があるとはいわれていたものの、ここまで失点を２に止めており、またコンパニの復帰でさらに改善されるだろう。サブメンバーの力も充実しており、まさに盤石のチームだ。
 
　昨年11月の欧州遠征で対決した際、当時ハリルホジッチ体制だった日本は大きな力の差を感じさせられたものである。
 
　とはいえ、今大会では何度も世界を驚かせている西野ジャパン。経験豊富な選手たちは強大な敵を相手にしても動じることなく、指揮官の捻り出した作戦を遂行する力も持っている。まだ果たしていないベスト８入りという目標を、戦う前から諦めなければならない理由は何もない。
 
　注目の対決は、７月２日（日本時間・３日午前３時開始）にロストフ・ナ・ドヌで行なわれる。

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