監督「西野朗」が持つモチベーターの一面、個性派揃いのG大阪をまとめた方法は?

カテゴリ:日本代表

佐藤俊

2018年04月11日

「次、勝てば何かが変わる。気持ちを切り替えていこう」その言葉にG大阪の選手は奮い立った

西野監督はフラットな選手起用をしたうえで、選手の立場を考えた対応を心掛けた。(C)SOCCER DIGEST

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 西野朗が、監督としてその手腕をいかんなく発揮したのはガンバ大阪時代だろう。2002年に就任して以降、2005年リーグ優勝、2007年ナビスコカップ優勝、2008年ACL優勝などG大阪に多くのタイトルをもたらした。
 
 2005年のリーグ優勝は、アラウージョら個性のあるタレントがおり、メンバー的にかなり救われた感があるが、実はかなり難産だった。
 
 チームは攻撃的なサッカーを展開した。技術が高く、戦術眼に優れた遠藤保仁がゲームをコントロールし、アラウージョ、大黒将志らストライカーが怒涛のゴールラッシュでチームの快進撃を支えた。激しく打ち合うサッカーに最終ラインの宮本恒靖らは全面的に賛成ではなかったが、現実的に勝てていたのでチームは成り立っていた。
 
 だが、最終コーナーに来て名古屋グランパス、大宮アルディージャ、さらに最終節前のジェフ千葉に敗れて3連敗を喫し、G大阪は首位から陥落。勝点1差でセレッソ大阪についで2位になった。G大阪は最終節の川崎フロンターレに勝って、C大阪が引き分け以下でないと優勝できない状況に追い込まれてしまったのだ。
 
 宮本は千葉に敗れて2位に落ちた時、「優勝は厳しい」と思ったという。

 しかし、指揮官はまったく諦めていなかった。千葉戦翌日のミーティングで西野監督はみんなの前で、こう言った。
 
「次、勝てば何かが変わる。気持ちを切り替えていこう」
 
 宮本は不思議とその言葉が心に入ったという。同時に、他の選手たちの表情が変わったのを感じた。西野監督のひと言が選手の士気をグっと高めたのだ。
 
 最終戦では「勝って優勝するぞ」と言って選手を送り出した。意気に感じた選手たちは川崎と壮絶な打ち合いの末、勝って優勝を決めた。西野監督は土壇場で選手の気持ちをもう一度、奮い立たせ、勝利につなげた。モチベーターとしても非常に優秀だったのである。
 
 このシーズン、西野監督は選手起用についてまったくブレなかった。例えば、日本代表のキャプテン宮本の扱いである。
 
 2004年から宮本はジーコ監督の日本代表のキャプテンで、不動のレギュラーメンバーだった。だが、G大阪に戻ってくると必ずしも試合に出られる状況ではなかった。むしろ、不在時に他選手が頑張って結果を出していると、西野監督は「チームの良い流れを変えたくない」と宮本をベンチに置く厳しさを見せた。そういう意味では、選手をフラットに見ていた。
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