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【小宮良之の日本サッカー兵法書】一昨年には熟成していたものが…戦術的退化が顕著だったマリ戦

カテゴリ:連載・コラム

小宮良之

2018年03月26日

セネガルの2軍レベルのチームに大苦戦…

宇賀神にとっては苦いデビュー戦となってしまったが、チームとしての無策ぶりが招いた失点だった。 (C) Getty Images

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 3月23日、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が率いる日本代表は、アフリカのマリと対戦し、1-1で引き分けた。
 
 先制されながら、最後の最後でプレーで追いついた点は、評価すべきなのだろう。その意味で、ポルトガルで結果を残し続ける攻撃的MF中島翔哉のプレーは、救いとなった。

 しかし試合を通して、日本のプレーからは、チームとしてのビジョン、デザインがまるで見えなかった。それぞれの選手が何をすべきか分からず、守備は組織だったものではなく、攻撃ではビルドアップもままならない。受け身になった時のプレーは惨憺たるもので、戦術という軸がないことを露呈した。
 
 一昨年の10月のオーストリア戦、11月のサウジアラビア戦あたりまで、ハリルジャパンは批判を浴びながらも、戦術的な熟成を感じさせていたものである。
 
 守備のブロックを作り、プレッシングとリトリートを併用する守備戦術は機能。さらに、奪ったボールを敵陣に持ち込む際の速さ、強度、精度も高まっていた。世界の強豪相手にも、戦える手段を手にしたかにもみえた。長谷部誠が円熟期を迎え、原口元気、久保裕也のような「ハリルの申し子」も出てきた。
 
 ところが、昨年はプレー内容が低調になり、戦術的に極端に弱体化し、今年最初のマリ戦は最低の出来に終わっている。
 
 マリは、セネガルの「仮想敵国」として選ばれたという。確かに、長所、短所はよく似ている。アフリカ特有のパワー、スピード、身体的に非凡さがある一方、戦術的には秩序立っていない。
 
 しかし、マリはセネガルの2軍レベルでしかないだろう。セネガルには、DFクリバリ、MFゲイエ、クヤテ、FWマネといった、欧州のトップクラブで活躍する一線級の選手が縦に並び、大会を勝ち上がる伏兵候補と言えるが、マリはポテンシャルはあっても、ムラのある選手が多かった。
 
 マリは日本に“優しかった”と言える。特に前半、自陣にボールを持ち込まれると、満足にプレスにいけず、自由にボールを持たせていた。あそこまで選択肢を与えたら、日本のプレーの幅は必然的に広がる。事実、日本は何度もセネガル・ゴール前に迫った。
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