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【岩本輝雄のオタクも納得!】2次予選は選手の技量だけで突破できる。ハリルホジッチ監督の真価が問われるのはこれから

カテゴリ:連載・コラム

岩本輝雄

2016年03月31日

“縦に速く”の次のチームコンセプトはあるのか?

 アフガニスタン、シリアと戦った3月シリーズ(ロシア・ワールドカップのアジア2次予選)は、どちらも5-0。誰が出場しても得点をしっかり取れることを証明した。ただ、1試合目のアフガニスタン戦は相手が引きこもった(前後半とおしてシュート1本)ので参考にならないかな。

【W杯アジア2次予選第8戦・PHOTOハイライト】 日本 5-0 シリア(2016年3月29日)
 
 シリア戦は、まさに中東のやり方と対峙できたと思う。相手は守りから入って、しっかりカウンターも狙っていた。日本は大勝したけど、多くの課題が残る試合になったと思う。ひとつは監督の采配、つまりはチーム戦術についてで、攻守にわたりチームとしてというよりも個人技で戦っている印象を受けた。5点を取ったけど、相手が効果的に繰り出してくるカウンターを食らっていて、3、4点取られてもおかしくない内容だった。
 
“縦に速く”というのは分かる。気になったのは、縦パスを入れても起点にできなかった時だ。岡崎にパスが入った瞬間に2列目やボランチとの距離感が近くてつなげるならいいけど、ブロックを作られると一気にスピードダウンして、次の崩しのアイデアがあまりない。こうした場面が試合のなかで何度か見られただけに、“縦に速く”の次にくるチームコンセプトを確立したいところだ。
 
 攻撃に関して言えば、最終ラインでボールを持った時に手前ではなく、ふたつや三つ先、相手ラインの裏を見てほしかった。ハーフウェーラインを越えてボールを回していると、宇佐美がタイミング良くダイアゴナルで中に入っていく。でも、ボールホルダーの反応が追い付いてないんだ。
 
 宇佐美が空けたスペースの活用法も考えなきゃいけない。SB、トップ下、ボランチの誰が走り込むのかは分からないけど、サイドに張った選手が相手SBを引き連れて中に絞ったなら、そこを使わない手はない。強いチームは、サイドに張った選手が生み出すスペースの活用法が上手い。誰が、どう使うのか。チームとして話し合って連係を深めれば、もっとチャンスは増えるはずだ。
 
 一方で守備面に関しては、多くの課題が洗い出されたんじゃないかな。日本はSBもボールホルダーに積極的にプレスに行く。ただ、そこを外されたあとのリスク管理が甘い。空いたスペースを使われてクロスを上げられるシーンがシリア戦の後半には目立った。もしCBが連動して釣り出されたら……かなり怖いよ。
 
 今まではプレスに出れば奪えてしまう相手と戦っていた。そこでボールを奪って、素早い切り替えからチャンスを作れていたけど、最終予選では相手のレベルも上がる。日本を徹底的に研究してくるだろうし、シリアが狙ってきた危険なゾーンを何度も突いてくるだろう。
 
 プレッシャーを掛ける位置とラインを保つ位置は決まっていると聞いたけど、その時に「それだと裏を取られるよね」という話をした。まさにそのとおりになってしまっていて、改善の兆しもない。相手の決定率が低かったことと西川の好セーブで完封できたけど、先を見据えるなら絶対に解決しなければならない問題だ。
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