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金メダル宣言の根拠はどこに? 左のシャドー、左のウイングバック…北朝鮮戦では看過できない問題が複数あった【なでしこジャパン/コラム】

カテゴリ:女子サッカー

白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

2024年03月01日

北川の働きは決して悪くなかったが…

池田監督はパリ五輪で結果を出せるか。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 北朝鮮との激闘を制したなでしこジャパンがパリ五輪出場を決めた。試合後、一種のプレッシャーから解放された池田監督は「一番いい色のメダルを目指して全員で戦う」と宣言している。

 大仕事をやってのけた池田監督に失礼なのを承知で言わせてもらうと、金メダル宣言の根拠はどこにあるのか。確かに、北朝鮮との第2戦は第1戦の4-3-3から慣れ親しんだ3-4-2-1にシステム変更してそれなりに戦えた。やはり熊谷はアンカーではなく3バックのセンターがしっくりきたし、長谷川も4-3-3のインサイドハーフよりは3-4-2-1のボランチのほうがこのチームでは機能しているように映った。右ウイングバックの清水も勝負どころで決定的な仕事をするなど、つまらないミスはありながらも存在感を示した。

 加えて、右シャドーを担った藤野は豊富な運動量で守備にも貢献しつつ、ゴールも奪っており、GK山下は説明不要の神セーブでチームを救った。しかし、万全のチームパフォーマンスだったかと言えば、そうではない。第1戦の開催地がなかなか決まらず、第2戦に向けて準備期間が短いなど色々な事情があったにせよ、看過できない問題が複数あった。

 まず、左のシャドーをどうするか。北朝鮮との第2戦で務めた上野は先制点にこそ絡んだが、ボールを収められず攻撃の起点になれなかった印象が強い。足の怪我で最終予選を欠場した宮澤のコンディションが整えばいいのだが、現状では不透明。猶本は前十字靭帯損傷の重傷でパリ五輪出場は絶望的で、現状頼れそうなのは清家のみと厳しい状況だ。いずれにしても、速攻の切り札になれるタレントがここにはほしい。
 
 CFの田中も北朝鮮との2試合ではインパクトを残せなかった。最前線で収めてほしい局面でも安定せず、ボールロストが目立った。昨年のワールドカップからの流れで判断すると、何らかのアクシデントがない限り田中がスタメン落ちする可能性は低いが、ここは植木や千葉の奮起にも期待したい。

 最大の問題は左ウイングバックか。やはり遠藤の離脱(左前十字靭帯損傷でパリ五輪出場は絶望的)は痛手だ。遠藤のキープ力と展開力は、長谷川の個人技と並ぶなでしこジャパンの大きな武器だった。それだけに、遠藤不在のダメージは大きすぎた。

 北朝鮮との第2戦に抜擢された北川の働きは決して悪くなかったが、FKで先制弾を演出した場面を除けば大きな違いを作り出していたわけではない。むしろ、「遠藤なら…」という場面はいくつかあった。ここに中嶋をという意見もあるだろうが、個人的には守備力に不安があると見ている。

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