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スーパーというより”感動”。負ければ終わりの北朝鮮戦でなでしこジャパンを救ったGK山下の神セーブ【コラム】

カテゴリ:女子サッカー

白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

2024年02月28日

藤野の活躍も印象に残った

第1戦に続きこの日も安定感が光ったGK山下(左)。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 なでしこジャパンがパリ五輪出場を決めた。2024年2月28日、負ければ終わりの北朝鮮戦に2-1と勝利し、本大会への切符を手にしたのだ。

 正直、褒められた試合内容ではなかった。組み立ての局面でスムーズに展開できず、前線で収める回数も少ない。北朝鮮の縦に速いアタックに反応が遅れるシーンもあり、何度も冷や汗をかかされた。

 昨年の女子ワールドカップと同じ3-4-2-1システムも遠藤と宮澤の不在(いずれも負傷)で機能したとは言い難かったが、それでも24分にセットプレーから高橋が先制弾を、76分に清水のチャンスメイクから藤野が追加点を決めて2-0と少ないチャンスをモノにした点は評価できる。その後1点返されるなど守備にも課題があったとはいえ、何より結果が求められる試合で勝利を手にしたのだから、池田監督をはじめとするスタッフ、選手たちには素直に「おめでとう」と伝えたい。
 
 フィールドプレーヤーで光ったのはシャドーに入った藤野だ。崩しのクオリティは今ひとつも、守備面での貢献は計り知れず、ここぞという場面できっちりと決めた勝負強さは評価に値した。最後まで走り抜くタフネスも素晴らしく、冷静なボール捌きがやはり光った長谷川とともに強く印象に残った。

 ただ、この日のMVPをひとり挙げるなら、GKの山下だ。称賛すべきは、あの神セーブ。前半終了間際の44分、チェ・クンオクのヒールキックに素早く反応し、ラインギリギリでボールを掻き出したプレーは、スーパーというより”感動”だった。

 倒れそうになりながらも細かいステップを刻みつつ、ボールをしっかりと見ながらダイビングしてボールを弾き出す。なでしこジャパンを救った、大、大、大ファインプレーだった。

文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

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