• トップ
  • ニュース一覧
  • 混迷バルサの“システム”と化したラポルタ会長。根底にある反マドリディズムと楽観主義【現地発コラム】

混迷バルサの“システム”と化したラポルタ会長。根底にある反マドリディズムと楽観主義【現地発コラム】

カテゴリ:連載・コラム

エル・パイス紙

2023年12月16日

クラブへの忠誠を誓ったスタッフが不可解な形で解雇

バルサの牛耳るラポルタ会長(中央)。(C)Getty Images

画像を見る

 ジョアン・ラポルタは、できることをすることからやりたいことをするようになった。厄介なのは必ずしもその変化が不誠実さやクラブの利益に反する行為に繋がっているわけではないことだ。

 バルセロナのために自身の健康や財産をリスクに晒してまで行動する人間を保身に走っていると決めつけるのは適切ではない。10月21日に開催された総会で発表した収支決算において経費や手数料などの項目や監査役の指摘を踏まえると、すべてを正当化するのが難しいことであったとしても、だ。

 その一方で、ラポルタ政権が20-21シーズンに計上した損失を膨らませ続けたため、数字が理解しづらくなっているのも事実だ。通常の経営で何百万ユーロの損失が出るのは心配だし、将来の収入減に繋がる資産を切り売りして自己資本を圧縮する中で利益を計上するのは驚きだ。

 どのような基準でコストをカットし、どこまで自由にお金を動かすことができるのかを見分けるのは困難で、バルサが唯一遵守しなければならないのはラ・リーガが定めるFFP(ファイナンシャル・フェアプレー)であることは周知の通りだ。

【動画】「しびれたなー」「普通にワールドクラス」と驚嘆の声!王者バルサを翻弄した久保建英の“鬼キープ”
 バルサのブランド力は今なお健在だが、カンプ・ノウからモンジュイックへの移転によってスタジアムの入場者数が8万人から4万人に減少し、シーズンチケットの保有者数が1万7500人にまで下落している現状では、利益を操作せざるを得ないのだろう。前会長のジョゼップ・マリア・バルトメウに象徴される負の遺産に引きずられ、さらに債権者が敷く包囲網と資本増強の難しさも加わり、先行きはますます不透明感が増している。

 経済的レバーを稼働させ、CEOのフェラン・レベルテルを手放し、忠義を尽くす友人たちの輪に身を委ねて以来、ラポルタが急場しのぎの対策を繰り返していることを理解するには、バルサ・メディア(バルサがすべてのオーディオビジュアル、デジタル、eスポーツコンテンツを網羅するために設立した子会社で、ナスダックに上場する見込み)を取り巻く混乱を解読するだけで十分だ。

 エスパイ・バルサ(カンプ・ノウを中心とした周辺地域の再開発プロジェクト)の立ち上げ時の顔見知りがほとんどいなくなるなど、経営陣やスポーツ部門の顔ぶれは一新された。

 クラブへの忠誠を誓ったスタッフが不可解な形で解雇され、なぜ呼ばれたのか、なぜ途中で出て行ったのかが分からないまま、人事異動が行われている。クラブに大きな成功をもたらした女子サッカー部門の責任者、マルケル・スビサレッタの辞任に代表される才能の流出も続いている。プロ意識の欠如なのか、分派主義や縁故主義、はたまた奇妙な家族喧嘩の延長なのか、はっきりしないケースが多々あった。
 
【関連記事】
「クボ君は気を引き締め直さないと」元日本代表が苦言を呈した久保建英のワンプレー「ちょっといただけない」
「ワールドクラス」久保建英に贈った敵将シャビの賛辞は“リップサービス”だったのか? 内田篤人の主張「記者が聞いてるんだよね? 俺が言いたいのは...」
「日本人は怒っていた」久保建英、バルサの俊英に苛立ちか。現地メディアが指摘した理由は?「試合終了後も収まらず...」
シャビ・アロンソ監督招聘で久保建英が右ウイング! マドリーの来季スタメンを地元メディアが予想!「ロドリゴのポジションをクボが占める」
「最もお気に入りはミトマだ」ビルバオFWの契約延長で獲得困難のバルサ、“本命”は三笘薫に変更と地元メディア報道!「日本のアイドル」

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 世界各国の超逸材を紹介!
    4月18日発売
    母国をさらなる高みに導く
    「新・黄金世代」大研究
    列強国も中小国も
    世界の才能を徹底網羅!!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ