【連載】小宮良之の『日本サッカー兵法書』其の五十八「国際派監督に求められる語学力」

カテゴリ:連載・コラム

小宮良之

2016年02月18日

コミュニケーション能力は集団を束ねるリーダーにとって基本。

行く先々で結果を残してきたモウリーニョ監督をはじめ、国際レベルで活躍する指揮官は、必ずと言っていいほどその国の言葉を習得してから任に就いている。(C)Getty Images

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 兵法にこんな言い回しがある。

「三軍は得やすく、一将は求め難し」

 兵士の頭数を揃えるのは難しくないが、優れた指揮官は得難いということだろう。

 これをサッカーに置き換えると、「選手は得やすく、名将は求め難し」となるだろうか。しかし、サッカーとは選手ありきのスポーツ。監督は三軍、つまり有力選手を切り捨てるに値する存在なのか、よくよく吟味する必要があるだろう。

 では、優れた監督の条件とはなにか?

 名将は、戦いの前に相応の準備をして臨む。その一つは対話力、もっと端的に言えば、語学力の場合もあるだろう。数年前、ジョゼ・モウリーニョ(前チェルシー監督)にインタビューしたときのことだった。

「クラブを率いるのに、その国の言葉を話せないで、どうやって仕事をするんだ? 例えばブンデスリーガで指揮を執るなら、ドイツ語をマスターしてから行く。そんなことは当たり前だ」

 ポルトガル人指揮官にそう凄まれた。コミュニケーション能力は、集団を束ねるリーダーにとって基本なのだろう。

 監督は集団を率いるのが仕事で、それは簡単ではない。選手は十人十色。それを一つにまとめなければならない。語学の一つも習得できないようでは、前途は厳しいものになるだろう。事実、モウリーニョは自身が語っている通り、国外のクラブ(チェルシー、インテル、レアル・マドリー)を指揮した際に、それぞれ英語、イタリア語、スペイン語を習得したうえで臨み、結果を残している。

 モウリーニョ以外にも、現代の名将たちのほとんどは、その国の言葉を自分のものにしている。世界最高のサッカー監督と名高いジョゼップ・グアルディオラも、ドイツ語を習得してからバイエルン・ミュンヘンの監督に就任した。流ちょうな発音までは必要ない。弱みを見せない程度に言葉を操れることが大事なのである。多くの国籍の選手たちを束ねるため、あるいはうるさいメディアに好き勝手を言わせないためには、その国の言葉を話すしかない。

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