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「未練がましいだけですよ」44歳にして現役を続ける“浦和レッズの元9番”永井雄一郎は爽やかに笑った「もっと巧くなりたい欲がある」

カテゴリ:Jリーグ

河野 正

2023年08月10日

“記憶に残る”結果を出し続けた浦和の代表格

KONOSU CITY FCで監督兼選手として活躍する永井。「引退を考えたことはない」と話す。写真:河野正

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 1997年の浦和レッズ加入から、27年近い歳月が流れた。

 Jリーガーとしては、2017年のザスパクサツ群馬が最終キャリアとなったが、数々の伝説的ゴールを生んだ永井雄一郎は今でも現役のままだ。昨年から社会人チームで監督を兼務しながらプレーを続ける44歳は、正真正銘のサッカー求道者だった。

 この人こそ、“記憶に残る”結果を出し続けた浦和の代表格である。

 横浜マリノス(現横浜F・マリノス)とのリーグ開幕戦に、クラブ史上最年少の18歳1か月29日で先発出場。前半19分に城定信次の出色のスルーパスを預かり、日本代表DF井原正巳を振り切って放った一撃は右ポストをかすめた。前半ロスタイムには、同じく当時日本代表のDF小村徳男をキックフェイントでかわし、岡野雅行の得点につなげた。

「選んでもらった責任感とか、どこまでやれるのかという自分への期待も強かった。思い出深い浦和の試合の中で3位に入ります」

 ヴェルディ川崎(現東京ヴェルディ)戦では、18歳4か月25日のクラブ最年少得点を更新。三菱養和SCに所属した中学・高校時代は、同じ東京の読売日本SC(現東京V)が絶対的存在で、2つ年上のスーパースター、菅原智に憧れた。「あの試合は菅原さんと戦えることが嬉しかったし、高校時代は読売に何もできなかったので気合いが入った」と語る。マーカーを寄せつけない高速ドリブルから、プロ初ゴールを蹴り込んだ。

 97年はリーグ戦に先駆けてナビスコカップ(現ルヴァンカップ)が開催され、永井は予選リーグ6試合のうち3試合で福田正博と2トップを組んで先発。なかでも敵地で行なわれた鹿島アントラーズとの第2戦は、深く記憶に刻まれているそうだ。「あのジーコさんが活躍したスタジアムですからね。すごいピッチに足を踏み入れたという喜びが大きく、一生忘れられない」と回想する。
 
 00年のJ2では29試合でチーム最多の12得点。細かいステップから4人を抜き去って決めた湘南ベルマーレ戦、2位大分トリニータとの終盤戦の大一番で叩き込んだ右足ボレーは、「今でもよく覚えている」と自賛する一発だ。

 03年は印象に残る出来事が目白押しで、“ミスターレッズ”と呼ばれた福田の背番号9は、何度も何度も固辞した末に渋々継承。「00年は念願の11番を付けたのに、翌年はトゥットの加入で18番に変わったし、02年の7番にしてもエジムンドに譲ったから1年限り。どうせ9番もすぐ変えられちゃうと思った」。いわく付きの永井の背番号だが、9番だけは初めて複数年の6シーズン背負っている。

 J1で自己最多の8点も03年。最終節は0-2から1得点・1アシストと活躍し、ほぼ手中にあった鹿島の優勝の夢を砕いた。日本代表のデビュー戦で得点し、ジーコ監督に初勝利をもたらしたのもこの年だ。
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