【マドリー番記者が観たクラシコ】失望だけを残す惨敗。その根本原因はクラブの体制に

カテゴリ:メガクラブ

パブロ・ポロ

2015年11月23日

マドリーらしさとは何なのか、それすらも示せなかった。

試合結果&フォーメーション

画像を見る

バルサ守備陣の果敢なプレスに苦しみ前線で孤立。C・ロナウドを完全に封じられたマドリーは、成す術がなかった。(C)Getty Images

画像を見る

 日々追いかけている担当チームが負けるのは、いつだって辛いものだ。思い入れがあるし、親しい選手もいる。勝てば喜び、負ければ悲しむ。それが番記者の宿命だ。

 だが、今回のレアル・マドリーの敗戦は、辛さだとか悲しみだとか、そういうものを飛び越えて、失望だけを残した。長いクラシコの歴史の中でも、最悪の部類に入る大敗だった。

 問題は負け方にある。サンチャゴ・ベルナベウでの2-6での敗戦(2008-09シーズン)、敵地カンプ・ノウでの0-5の敗戦(13-14シーズン)は、近年のクラシコ史に残る大敗だった。しかし、この2試合では、チームは少なくとも誇りや意地は見せた。バルセロナがそれを上回った。それだけのことだ。ファンもメディアも悔しさを胸に刻みながらも、負けを受け入れることができた。

 しかし、今回は違う。受け入れられる類の負けではない。

 今回、試合中にスタンドのファンが、会長席に座るフロレンティーノ・ペレスに向けて「フロレンティーノは辞めろ」と叫んだ。これは、2-6で敗れた先述のクラシコの後に、2つのアウェーゲームを落として迎えたホームのマジョルカ戦で4連敗目を喫した時でさえ起こらなかった、ペレス政権になって初めての事態だ(チームは結局、次のアウェーゲームも落として5連敗)。

 理解に苦しむ監督人事、ネームバリュー重視の選手補強、スポーツディレクター職を設けない不可解な体制……。そうした上層部の独断専横は、チームに少なからず混乱をもたらした。バルサらしさを見せた宿敵とは対照的に、マドリーらしさとは何なのか、それすらも示せなかった。

 クラシコの敗因は何だったのか。目に見えるような表層的な部分だけを切り取って、「こうすればよかった」などと批判しても意味がない。

 ルカ・モドリッチとトニ・クロースのダブルボランチではなく、3セントラルMFにして守備力に優れたカゼミーロをアンカーに置いていれば、中盤で圧倒されることはなかったはずではないか?
 イスコを先発で起用していれば、もっと多くのチャンスを作れたのではないか?
 右SBにダニーロではなく、ハードワークをこなせるダニエル・カルバハルを使っていれば、ネイマールを抑えられたのではないか?
 コンディションが万全ではないカリム・ベンゼマやガレス・ベイルを、先発させるべきではなかったのではないのか?

 答は、すべてノ-だ。

 クラシコの敗因、それはピッチの上ではなく、もっと深いところにあるからだ。
【関連記事】
【バルサ番記者が観たクラシコ】ゲームを動かし、リズムを支配したイニエスタがマン・オブ・ザ・マッチだ! 
衝撃の4点差……攻守に充実のバルサが敵地で宿敵を一蹴!――レアル・マドリー 0-4 バルセロナ
【リーガ現地コラム】全盛期を迎えた“世界で最も地味で、最も優れたCB”ディエゴ・ゴディン
【ビッグクラブの回顧録】“あの時”のバルサを振り返る vol.4~1991-92シーズン ~
【マドリー番記者のクラシコ展望】ベニテス監督は選手の要望を聞き入れるのか?

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 世界各国の超逸材を紹介!
    4月18日発売
    母国をさらなる高みに導く
    「新・黄金世代」大研究
    列強国も中小国も
    世界の才能を徹底網羅!!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ