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【バルサ番記者が観たクラシコ】ゲームを動かし、リズムを支配したイニエスタがマン・オブ・ザ・マッチだ! 

カテゴリ:メガクラブ

ルイス・フェルナンド・ロホ

2015年11月23日

両チームのプレスに対する姿勢が試合の流れを決定付ける。

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 バルサは勝つ――。
 
 今回のクラシコの前、私はそう考えていた。
 
 ネイマールは好調だったし、スアレスもいい。クラシコではメッシも戻って来る。
 
 いくら敵地とはいえ、バルサは勝点3を手にするだろう――。
 
 私が予想できたのはそこまでだった。
 
 敵地サンチャゴ・ベルナベウでのバルサが見せてくれたサッカーは、私の予想をはるかに上回る、歴史に残るものだった。
 
 私は長いことバルサの番記者を務めてきた。90年代初頭のクライフが率いたドリームチーム、ロナウドやリバウド、ロナウジーニョらが残したサッカー、そしてペップのチームも目にしてきた。
 
 しかし、今回の敵地サンチャゴ・ベルナベウでの圧倒は、それらを凌ぐものだったと言える。
 
 大差がついた最大の要因は、ルイス・エンリケとベニテスの両指揮官が準備したプランと采配にあった。
 
 ポイントは中盤だ。
 
 ルイス・エンリケはこのエリアが勝負を分けると考え、右ウイングの位置にS・ロベルトを配した。彼は本職のインテリオールに加え、右SB、アンカー、そして右ウイングまでもこなすユーティリティーな選手である。彼を右ウイングに置き、サイドから中盤に加わっていく偽ウイングとしての役割を求めた。
 
 S・ロベルトは前半からポイントになった。マドリーのマルセロとクロースは、この流動的で曖昧なポジションニングをとるMFを捕まえきれなかった。
 
 S・ロベルト、ラキティッチ、ブスケッツ、イニエスタの4人がパスを回し、左サイドのネイマールがこれに加わる。クロース、モドリッチ、ハメスの3人で構成したマドリーの中盤は数的不利となり、まったく機能しなかった。このエリアでのマッチアップが、勝負を分けた。
 
 つねに数的有利を保った中盤でのパスワークは、ペップの黄金期を思わせるかのようでもあった。ただボールを回すのではなく、パススピードが伴ったパスの連続である。
 
 チームが攻撃陣と守備陣に完全に分断されたマドリーは、それについていくことができなかった。ロナウド、ベンゼマ、ベイルという3人のアタッカーは守備に積極的ではなく、相手守備陣へのプレスはほぼ皆無。
 
 一方でバルサは、最前線のスアレスが最終ラインのボールの出所にプレスをかけ続けた。イニエスタのパスをネイマールが決めた2点目では、スアレスがモドリッチからボールを奪ったところから始まった。それがなによりの証である。
 
 イニエスタ、ネイマール、スアレスらのテクニックと4つのゴールシーンが強く印象に残るゲームだったが、その影で、真の意味で試合の流れを決定付けたのは、両チームのプレスに対する姿勢だったのだ。
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