【浦和】“レッズ・ベース”がハリルジャパン強化の近道か

カテゴリ:Jリーグ

白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

2015年10月25日

FC東京戦の浦和はハリルホジッチ監督が標榜するサッカーを体現していた。

浦和で躍動する武藤(右端)。11月シリーズの代表活動に呼ばれるか、注目したい。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 10月シリーズの連戦(シリア戦、イラン戦)で久しぶりに代表活動に参加した柏木は言った。「ダイレクトパスが少な過ぎる」と。
 
 確かに、シリア戦とイラン戦での日本のパフォーマンスは内容的に不満が残った。思うようにパスがつながらず、テンポのいい攻撃は数える程度……。連係不足が低調なパフォーマンスに終わった原因のひとつだった。
 
 いわば寄せ集め集団の代表チームに、優れた組織力を求めるのは酷な話だ。ハリルホジッチ政権は今年の3月に発足したばかりで、十分な練習をこなしていない。当のハリルホジッチ監督も「時間が足りない」と嘆いているのが実情だ。
 
 そう考えると、やはり頼るべきは欧州組ではなく“Jリーグのクラブ”ではないだろうか。
 
 FC東京とのアウェーゲーム、とりわけ前半に、ハリルホジッチが標榜するサッカーを展開していたのが浦和だった。“縦に速く”、そして“パスを軽快につなぐ”スタイルは、現代表のベースになるべきものではないだろうか。
 
 リベロのように振る舞う阿部が入れた縦パスを、柏木や武藤がダイレクトに叩き、サイドの宇賀神や関根に展開。そして敵陣深くまで切り込んだ宇賀神か関根が躊躇なくクロスを上げて、CFのズラタンや2シャドーの武藤や興梠がそれに合わせようとする。
 
 柏木が「ダイレクトパスが少な過ぎる」とコメントするのも無理はない。前半にFC東京の守備網を引き裂いた浦和のサッカーを見て、素直にそう感じた。
 
「運動量が落ちた」(ペトロヴィッチ監督)後半はやや守備が乱れて最終的に押し込まれる展開となった。とはいえ、この日の浦和のクオリティは十分に高かった。
 
 サイドからの崩しあり、ミドルありと、どこからでも点が取れる柔軟性を示し、今季ここまでJ1で最少失点のFC東京から4ゴールも奪ったのだから、間違いなく「クオリティが高かった」と言える。
 
 なかでも素晴らしかったのは柏木だ。危険な位置で無駄にボールを持たず、テンポよくパスを回して攻撃にリズムを作り出していた。
 
 そしてシャドーの武藤も、その柏木との連係から華麗なミドルを突き刺し、さらに守備の局面でもハードワークしていた。9月、10月の代表活動に彼が招集されなかったのが不思議でならない。
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