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選手37人中21人が「選手社員」。“リアル南葛SC”が独自に推し進めるサッカーと仕事の相乗効果

カテゴリ:連載・コラム

伊藤 亮

2022年11月10日

サッカーと仕事の新しい両立のカタチ【前編】――最初は3人からのスタート

社員としても活躍する南葛SCの楠神(左)と森山(右)。今季は21名が社員選手として活動する。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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『キャプテン翼』という飛び抜けた特徴を持つ南葛SC。しかし、チームの出色の特徴はほかの取り組みからも見て取れる。

 2022年シーズン、南葛SCに在籍した選手は37名。うち21名が自分たちのチームを運営する「株式会社南葛SC」の社員だ。プレーするチームで社員として働く。実際にそういう例はあるかもしれないが、ここまで多人数の選手を雇っているチームはないのではないか。

 この特徴ある現実のもと、選手の雇用を確保する以外にどのようなメリットがあるのか。
全2回にわたるこの企画、1回目は最も早くに選手社員になったうちのひとり、楠神順平に話を聞いた。

――◆――◆――

 南葛SCを運営する株式会社南葛SCで、選手を社員として採用する「選手社員」が誕生したのは2020年のこと。石井謙伍、佐々木竜太、そして楠神順平の3人が“オリジナル3”だ。それから3年、最初3人だった選手社員は21人にまで増えた。

「1年目は手探りというか、3人で協力し合いながらという感じでしたが、2年目に5人になり、そして3年目の今年、一気に21人にまで増えて、組織になってきたかなと感じます」

 そう語る楠神が、この2年を振り返る。
「選手社員になって早々コロナ禍になって、緊急事態宣言などもありまったく外に出られない状況になりました。当時は仕事として読書をしていましたね。それこそ『キャプテン翼』とか、いろんな本を読んでは感想文をGMに送って。基本的に読書が好きなので楽しかったですけど」

 本来はパートナー営業などを行なう予定が、コロナ禍が長引き、なかなか外に出られない。
「最初にやった仕事は南葛SCのグッズデザインでした。アパレルにはもともと興味があったというのもありますが、コロナ禍でできる仕事がグッズ制作くらいしかなかったので」

 実際にパートナー営業に出るようになったのは2021年の夏あたりから。選手社員は5人に増えていた。そして2022年の今、4人ごとのチームが4つと5人のチームが1つ。計5つのチームがそれぞれの役割を担い、組織として動くようになった。

「昨年までに社員になっていた5人が各チームのリーダーになっています。楠神チームは僕のほかに村越(健太)と秋山(大地)と安羅(修雅)の4人。イベント企画面を担当しています」

 誰がどのチームに割り振られるかは、クラブによって決められたという。

 全チームは基本、パートナー営業を行なう。葛飾区、東京都、全国各単位で担当エリアが割り振られていて、各自で飛び込みやメールアポイントを駆使しながら営業に精を出す。加えてイベント企画、サッカー教室、グッズデザイン、広報といったようにチームごとの役割が割り振られている。

「選手社員が増えたというのはとても大きいことで、これまで一人では手の届かなかったところもみんなで補えますし、効率も良くなりましたし、なにより賑やかになりました」
 
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