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【消えた逸材】06年W杯にサプライズ選出。特大のインパクトを放った元ドイツ代表ウイングの現在は?

カテゴリ:連載・コラム

ワールドサッカーダイジェスト編集部

2022年01月31日

ロシツキ、シャヒンらとドルトムントで躍動

快足ウイングとして鳴らし、ドイツ代表として16試合に出場したオドンコール。(C)Getty Images

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ダビド・オドンコール(FW/元ドイツ代表)
■生年月日/1984年2月21日
■身長・体重/172センチ・74キロ


 ダビド・オドンコールは一芸に秀でるウインガーだった。目を見張るようなスピードで右サイドをぶち破り、シンプルなクロスで決定機を演出する。トラップやボールコントロールは雑で、左足の技術もいまひとつ。得点力にも乏しく、現代のサッカー界なら「逸材」として持て囃されることはなかったかもしれない。

 ガーナ人の父とドイツ人の母に育てられたサッカー好きの少年は、18歳の誕生日を迎えた直後の2002年3月、ドルトムントでブンデスリーガ・デビューを果たす。レバークーゼン、バイエルンと熾烈な首位争いを演じている状況下で、当時のマティアス・ザマー監督から抜擢を受けた。

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 だが、チームの分厚い選手層に阻まれ、デビューシーズンと2年目で計8試合の出場に終わる。続く2003-2004シーズンは25試合に出場したものの、スーパーサブとしての起用が大半で、先発の機会はたった5回しかなかった。

 飛躍を遂げたのは05-06シーズン。開幕当初は控え要員に過ぎなかったが、CFヤン・コラーの負傷離脱後にチャンスを掴む。エビ・スモラレクがCFに移ったことで空いた右ウイングのレギュラーに収まったのだ。

 そして、トマーシュ・ロシツキやヌリ・シャヒンらパサーに恵まれた快足アタッカーは、水を得た魚のように躍動。いずれもキャリアハイの33試合出場と5アシストをマークした。

 その直後に最大のハイライトが訪れる。それまで招集歴ゼロにもかかわらず、自国開催のワールドカップに臨むメンバーにサプライズ選出されたのである。

 それだけではない。苦戦を強いられたグループリーグ2戦目のポーランド戦で途中出場し、オリバー・ノイビルによるアディショナルタイムの決勝点を好アシスト。そう、右サイド深くのスペースに飛び出し、クロスを送る十八番のプレーで大仕事をやってのけたのだ。オドンコールの名は一夜にして世界中に知れ渡った。
 
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