3冠王者の不透明なスタート【バルサ番記者】のキャンプレポ

カテゴリ:メガクラブ

ルイス・フェルナンド・ロホ

2015年07月20日

シャビの抜けた穴は埋まるのか。

不安材料が少なくない、いわば逆風の船出となったバルサ。3冠王者としてのシーズンを、どう戦うのか。 (C) Getty Images

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 3冠王者としてのシーズンがスタートした。挑戦を受ける立場だが、不安材料が少なくない。
 
 まず、シャビの抜けた穴は埋まるのか。
 
 絶対的なリーダーのシャビは、一時は口も利かないほどに冷え込んだリオネル・メッシとルイス・エンリケ監督の仲を取り持ち、昨シーズンのチームを崩壊の危機から救った。
 
 選手たちの精神的な拠り所でもあったこのチームリーダーがもういない。問題が持ち上がった時、L・エンリケを助けてその解決に当たるのは、いったい誰なのか。
 
 戦力面にも不安が残る。これには2つの誤算が重くのしかかる。
 
 ひとつは、セビージャに貸し出していたデニス・スアレスのレンタルバックがダメになったこと。ご存じのように補強禁止処分中のバルサにとって、レンタル組を呼び戻すことが今夏の唯一の強化手段で、D・スアレスを復帰させる手続きを進めていた。
 
 しかし、FIFAから待ったがかかる。問題となったのは、レンタル期間があと1年残っていたこと。セビージャとは、期間の途中で呼び戻す際には金銭を支払うという取り決めを交わしており、金銭が絡むその場合は「レンタルバック」ではなく「新規獲得」に当たるとFIFAに言い渡されたのだ。
 
 さらに、FIFAから想定外の通達が届く。来年1月からの加入で今夏に獲得を決めたアルダ・トゥランとアレイクス・ビダルの親善試合(公式戦以外)の出場が禁止されたのだ。昨シーズンのルイス・スアレスは、出場停止処分中でも親善試合の出場は許された。クラブはアルダとビダルについても同様に考えていたのだが、それは認められなかった。
 
 スアレスは実戦を通じて戦術への理解を深め、処分明け後の活躍につなげた。アルダとビダルは同じプロセスが踏めず、1月からのチーム合流はいわばぶっつけ本番となる。シャビの後釜としてL・エンリケが期待していたのがアルダだ。はたして、スムーズに適応できるだろうか。
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