ベニテス新体制のファーストインプレッションは? 【マドリー番記者】のキャンプレポ

カテゴリ:メガクラブ

パブロ・ポロ

2015年07月20日

集まった選手を前に、開口一番「守備の改善を」と所信表明。

ベニテス新監督はどんなチームを作ろうとしているのか。オーストラリア遠征を同行取材する番記者がレポート。 (C) Getty Images

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 メルボルンは寒い。マドリードは気温が摂氏45度にも達するというが、遠征先の南半球オーストラリアは現在真冬である。あまりの気温差に、到着早々の選手たちは絶句していた。
 
 なかでも寒さに耐えかねていたのがヘセ・ロドリゲスだ。防寒用のジャージを着こみ、ガタガタと震えるその姿は、ちょっと同情を誘う。アフリカ沖に浮かぶカナリア諸島で生まれたヘセには、やはり寒さは堪えるのだろう。
 
 そんなオーストラリアで、レアル・マドリーは覇権奪還を期す新シーズンをスタートさせた。その中心にいるのは、新監督のラファエル・ベニテスだ。まだスペイン語が堪能とは言えないガレス・ベイルやトニ・クロースなどには英語を交えながら、チーム作りを進めている。
 
「まずは守備を改善しようじゃないか」
 集まった選手たちを前に、指揮官は開口一番、こう告げた。堅実なベニテスらしい所信表明と言えるだろう。攻撃に関しては、「うまく行っている。これまで通りやろう」というスタンスだ。
 
 練習を取材していて興味深かったのは、サイドバックを呼んで直接指導したこと。ダニエル・カルバハルと新加入のダニーロに対してだ。右サイドバックのレギュラーを争う2人に、動き方を丁寧に教えていたシーンは印象に残る。
 
 続いて、セルヒオ・ラモス、ラファエル・ヴァランヌ、ナチョ、そしてペペのセンターバック陣を集めたベニテスは、ラインの作り方や個々の身体の向け方などを熱心に指導。約20分間の熱のこもった“授業”だった。移籍騒動の渦中にあるS・ラモスとも、ベニテスは非常に上手くやっている。
 
 そのS・ラモスは、やはり退団が避けられそうにないか。親しいチームメイトには「移籍したい」と漏らしており、契約延長を巡ってぶつかったフロレンティーノ・ペレス会長との間に生じた亀裂は、修復が難しいところにまで広がっているようだ。
 
 そうした状況にありながら、S・ラモスとベニテスの関係は良好だ。プロフェッショナルとして互いの立場を尊重しながら、一緒になってチームを前に進めている。
 
 尊敬に値するのは、S・ラモスの態度だ。イケル・カシージャスが去り、唯一の精神的主柱となった彼は、練習中に盛んに冗談を飛ばしながら雰囲気作りに努めている。
 
 そんなS・ラモスを見て、ベニテスは放出すべきではないとクラブ幹部と直談判し、残留するよう本人を説得してもいる。ペレスとS・ラモスは、はたしてどんな決断を下すのか。
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