【アタッキングサード|ゴールに関われない選手は怖くない。金崎の台頭が競争を加速する】
攻撃的ポジションの選手、なかでもFWに求められるのはゴールである。その点で言えば、前線に位置した3人ともが得点に絡んでおり、彼らには及第点が与えられて然るべきだ。極論を言うなら、いくら良い動きをしてもゴールに関われない選手は怖くない。
また、シンガポール戦では3トップの距離感、いわゆる“幅”に焦点が当てられていたが、その使い方はひとまず奏功している。サイドに位置する本田、武藤は基本的に大きく開き、シンガポールの守備を横に引き伸ばしていた。
右の本田はタメを作ることを好み、武藤は縦への仕掛けを得意とする。その点で両翼のバランスも取れていたと感じる。とはいえ、本田は以前に比べて身体的な強度が落ちているようで、相手を抑え込めず容易なボールロストが散見した。
その点は気掛かりで、もしパフォーマンスが上向かないようならカンボジア戦では一度スタメンから外すことも視野に入れるべきだ。ただ、得点シーンにことごとく顔を出す背番号4は、FWという見地からすれば頼もしい存在なのだが……。
頼もしさでは、先制ゴールを決めた金崎の積極性に触れないわけにはいかない。現体制の“新入り”は、臆さず仕掛けて前線に躍動感をもたらした。武藤が「凄くやりやすかった」と語るように、周囲とのコンビネーションも思いのほかスムーズで、ポストプレーや細かいパスワークにも関与。サボっているように見えた後半の数十分を除けばMOMに匹敵する働きぶりだった。
金崎の台頭には、この日出番のなかった岡崎もうかうかしていられない。実際に「今の時期にいろんな選手が力をつけていくことが重要だと思うし、試合に出ていない選手がそれを観て、もっと出たいって気持ちが出ないといけない」(岡崎)と危機感を募らせていた。交代出場した宇佐美と原口を含め、さらなる競争に注目したい。
取材・文:増山直樹(サッカーダイジェスト編集部)
また、シンガポール戦では3トップの距離感、いわゆる“幅”に焦点が当てられていたが、その使い方はひとまず奏功している。サイドに位置する本田、武藤は基本的に大きく開き、シンガポールの守備を横に引き伸ばしていた。
右の本田はタメを作ることを好み、武藤は縦への仕掛けを得意とする。その点で両翼のバランスも取れていたと感じる。とはいえ、本田は以前に比べて身体的な強度が落ちているようで、相手を抑え込めず容易なボールロストが散見した。
その点は気掛かりで、もしパフォーマンスが上向かないようならカンボジア戦では一度スタメンから外すことも視野に入れるべきだ。ただ、得点シーンにことごとく顔を出す背番号4は、FWという見地からすれば頼もしい存在なのだが……。
頼もしさでは、先制ゴールを決めた金崎の積極性に触れないわけにはいかない。現体制の“新入り”は、臆さず仕掛けて前線に躍動感をもたらした。武藤が「凄くやりやすかった」と語るように、周囲とのコンビネーションも思いのほかスムーズで、ポストプレーや細かいパスワークにも関与。サボっているように見えた後半の数十分を除けばMOMに匹敵する働きぶりだった。
金崎の台頭には、この日出番のなかった岡崎もうかうかしていられない。実際に「今の時期にいろんな選手が力をつけていくことが重要だと思うし、試合に出ていない選手がそれを観て、もっと出たいって気持ちが出ないといけない」(岡崎)と危機感を募らせていた。交代出場した宇佐美と原口を含め、さらなる競争に注目したい。
取材・文:増山直樹(サッカーダイジェスト編集部)