【独占インタビュー】世界へ――。新星・遠藤航が語った「新たな領域」

カテゴリ:日本代表

塚越 始(サッカーダイジェスト)

2015年09月11日

「何度上下動を繰り返せるか。回数が求められるので、もっと増やさないと。」

東アジアカップでは全3試合にフル出場。指揮官の信頼を掴み、アジア2次予選のメンバーにも名を連ねた。写真:徳原隆元

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 8月の東アジアカップでA代表デビューを飾ると、ロシア・ワールドカップ・アジア2次予選のアフガニスタン戦(9月8日)では、欧州組も揃うなかで堂々たるプレーを見せた。攻撃面での課題は痛感しているが、ハリルジャパンの希望の星として、遠藤航は確かに「新たな領域」への一歩を踏み出した。
(『サッカーダイジェスト』2015年9月10日号より)
 
【PHOTOギャラリー】アフガニスタン戦 0-6 日本
 
――初のA代表は、年代別の代表チームとは違う特別な雰囲気を感じましたか?
 
「最初はこれまでプレーしたことのある何人かの選手と一緒に行動していたんです。でも自然とどの選手も快く受け入れてくれて、練習の雰囲気もU-22代表よりもみんなすごく声を出していて、とても良い雰囲気で練習できていました」
 
――東アジアカップの期間中、誰と一緒にいることが多かったんですか?
 
「宇佐美と(柴崎)岳は同い年なのでバス移動では隣に座ることも多く、食事はガンバの選手と一緒になることが多かったです。ヨネくん(米倉)、(倉田)シュウくん、藤春くんといろいろな話をしました」
 
――そういう時は、どんな話をするんですか?
 
「『湘南の練習って、やっぱりかなりきついんでしょ?』とか。『うん、結構きついよ』って(笑)」
 
――選手間でも、そこは気になるところなんですね。
 
「練習の内容や監督のこと、共通の知り合いのこととか。もちろん試合に関する話もしますよ」
 
――他のチームの練習メニューなどを聞いてみた感想は?
 
「うちとのギャップに驚かされることはありました。直接そんなこと言えませんけど……」
 
――ハリルホジッチ監督からは刺激的なことを言われたそうですが?
 
「新聞記事にもなっていましたが、まず『プレーが40歳ぐらいに見える』と言われました。休む時間が多いのは『日本人の悪いところ』で、『より攻撃的にアグレッシブに出て行け』と指摘されました」
 
――その「40歳」という指摘をどのように解釈しました?
 
「他の選手にも様々な指摘をしていて、それは期待の裏返しで、そうやってモチベーションを上げるのが、ハリルホジッチ監督の狙いだと思いました。だからその言葉を念頭に置きつつ、自分のスタイルは基本的には変えず、良さをしっかり出そうという意気込みでやっていました」
 
――第1戦の北朝鮮戦、武藤選手の先制点をアシストしたクロスは、その積極性が結実したものでした。
 
「湘南でやっているプレーをシンプルに出した結果がアシストにつながりました。ただSBは攻撃参加を繰り返してクロスを放つことが求められるので、あの試合はアシストをした場面の他は攻撃参加するシーンをあまり作れず、そのアップダウンとクロスの回数の少なさは課題として残りました」
 
――韓国戦では再び右SB、最後の中国戦ではボランチとして、全3試合にフル出場しました。今改めて感じる、手応えと課題を挙げてもらえますか?
 
「自分のなかでは、イメージしていた通りと言えばいいでしょうか、ここは通じるだろうなという部分と、ここはどうなのかなという部分が、そのままプレーにも表われていた気がします。1対1の対応、カバーリング、守備時のポジショニングは、3バックでも4バックでも整理でき、森重さんとコミュニケーションをしっかり取りながら違和感なくやれました。守備に関しては、良さは出せたと思います。一方で……」
 
――攻撃面ですか?
 
「そうですね、攻撃面では上下動をいかに繰り返せるか。その回数がまず求められるので、まだまだ足りていない。まず回数を増やさないと」
 
――結果的に、チームも勝てませんでした……。
 
「北朝鮮戦は追加点を取っていれば勝てたはずだし、もったいない展開が続きました。でも、そうやってU-19代表の時も(遠藤が臨んだ10年と12年のU-19アジア選手権。いずれも準々決勝で敗れ、U-20ワールドカップの出場権を逃した)、一瞬の隙を突かれてやられているので、A代表でも変わらず突き詰めていきたいです」
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