【礒貝洋光×松波正信|特別対談】語り継がれる選手とは? ふたりが導き出したレジェンドの条件

カテゴリ:Jリーグ

志水麗鑑(サッカーダイジェスト)

2021年06月04日

リスペクトされる人がレジェンドであるのは間違いない(松波)

高校時代を含め、10代から全国レベルの選手だった礒貝(右)と松波(左)。ふたりが導き出した“伝説の条件”は示唆に富むものに。(C)SOCCER DIGEST

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――でも、味方に厳しく要求していたんですから、考えていないわけないですよね?

礒貝 いや、というより、話が変わるけど、逆に周りが俺に厳しく要求してこないからダメだったんだよなあ。

――もう少し詳しく教えて下さい。

礒貝 例えば俺がゴール前に入るシーンもあるけど、自分がベストと思ったタイミングではセンタリングがほとんど入ってこない。それが不思議でさ。だから松波に聞きたい。FWはどういう意識でパスを呼び込んでいたの?

松波 パスの出し手の目線は見るようにしていましたよ。

礒貝 そうだろうけど、でも俺がゴール前に入ったタイミングではパスがほぼこない。シュートも打てないうえに、無駄走りでさ。なぜなんだろう、これはって、思っていた。

松波 さっきの補足説明をすると、あとはパスの出し手の状況を見ます。サッカーのセオリーに当てはめたうえで、パスを出せる状況でなければFWは走りづらいです。なので礒貝さんがパスを出せると思っていても、FWが無理と判断してもうワンテンポ遅らせたら、もう遅いとなることはあったかもしれないです。

礒貝 そういう場面はあったね。

――話はやや逸れましたが、つまり礒貝さんはサッカーのセオリーにハマらないイメージを持っていたから、「おぉ!」というプレーができた。

礒貝 まあ、そうかもしれないけど、俺としては相手や味方の位置によって、どうすれば点が入るか瞬時に判断してプレーしていただけ。ただ、味方とタイミングが合わなかったということは、一般的なセオリーとはイメージが違っていたのかな。

松波 でも、礒貝さんの才能なら、味方のタイミングに合わせられたと思うんですよ。先ほどの話につながりますが、だから厳しいんです。ある意味優しくないなって(笑)。

礒貝 ハハハ(笑)。

――なるほど、だから“お互いに”厳しく要求し合う環境が必要だったと。ちなみに、そのなかでも礒貝さんのイメージに最も波長が合っていたのは誰だったんですか?

礒貝 松波はバリエーション豊富な動きでゴール前に走るから、パスは出しやすかったよ。

――そうなんですね。では仮に時代を変えてみて、もしも全盛期の礒貝さんが今のガンバでプレーしたら?

松波 その前に監督が大変だろうなと。扱える人が少ないと思う(笑)。

礒貝 そんな難しいこと言わないじゃん!(笑)。

松波 冗談はさておき、価値のあるプレーヤーなのは間違いないです。

――さて複数のレジェンドが挙がり、最後に総括として改めてお伺いします。レジェンドとはどんな選手?

礒貝 やっぱり、松波のように長い間、クラブに自らを捧げている人に与えられる呼び名だね。

松波 とんでもございません。僕の考えはクラブを象徴する選手。数々の記録を残した遠藤がレジェンドの筆頭ですけど、礒貝さんも含めて、他にもJリーグ開幕初年度からクラブの歴史を作った方々もレジェンドと呼べます。選ぶ基準は人それぞれだとは思いますが、少なくとも周りから評価されたうえでの呼称なので、リスペクトされる人がレジェンドであるのは間違いないと思います。
 
PROFILE 礒貝洋光 いそがい・ひろみつ/1969年4月19日生まれ、熊本県出身。幼少期から天才と称され、85年に帝京高に入学。1年生時から10番を背負い、高体連屈指のスターとして活躍した。東海大を経て92年にG大阪に加入。怪我に悩まされた時期もあったが、ピッチに立てば異次元のプレーを披露した。97年に浦和へ移籍し、翌年に29歳で現役引退。現在は様々な仕事をこなす。

PROFILE 松波正信 まつなみ・まさのぶ/1974年11月21日生まれ、岐阜県出身。帝京高では2年生時に高校選手権で7得点を決めて得点王に輝く。チームを優勝に導いたストライカーとして注目を集め、93年にG大阪に加入。以降05年までガンバ一筋を貫いて現役を退く。引退後もG大阪でユースやトップチームの監督を歴任し、18年8月から強化アカデミー部長を務め、今年6月から監督に再就任。

※サッカーダイジェスト2021年5月27日号から転載。一部加筆・修正。

取材・文●志水麗鑑(サッカーダイジェスト編集部)

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