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プロ分析官が注目の一戦『鹿島×神戸』を徹底展望! ダブルボランチのポジショニングが勝負の分かれ目に!?

カテゴリ:Jリーグ

サッカーダイジェストWeb編集部

2021年04月23日

神戸の敵陣での攻撃vs鹿島の自陣での守備

神戸が敵陣でボールを保持している際のマッチアップ図。

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 最後は、神戸が敵陣でどうゴールを奪うかと、鹿島の守り方です。神戸は、三浦淳寛監督になってから、相手のサイドバックやウイングバックの裏(図左下の赤い部分)を狙う傾向があります。

 ここに誰が走り込むか。シンプルに井上選手が縦に抜けるのか、FWの古橋選手が流れたり、郷家選手が2列目から飛び出したりもします。また、前節でも見られたプレーでは山口選手がここに走り込むこともある。このエリアを誰が使うかによって、神戸の狙いが見えてきます。

 当然、鹿島としては裏を狙って走ってくる選手に対して、マークに付いていかなければいけない。L・シルバ選手や三竿選手がそこに付いていくことも考えられますが、鹿島はマンマーク気味の意識が強いので、例えば古橋選手が流れていったら、センターバックの犬飼智也選手が付いていくはず。そうなれば、当然真ん中のスペースに人がいなくなりますが、ただ神戸も郷家選手しかいなくなるので、犬飼選手が付いていって潰すこともできます。

 これが例えば、山口選手が出ていった場合は、真ん中に古橋選手や郷家選手が残っているので、さすがに犬飼選手は付ききれず、ボランチの三竿選手が付いていかなければいけなくなります。そのとき鹿島が注意すべきは、図の真ん中の赤いスペースのところのバイタルエリアにL・シルバ選手しかいなくなるので、そこを使われて神戸にシュートまでいかれてしまうこと。神戸としては、サイドバックの裏に走り込んで相手の陣形を崩し、ボランチを引き出してバイタルエリアを狙うというのが、キーポイントになります。

 また、古橋選手、井上選手、山口選手など、このペナルティエリア手前の位置からシュートを打てる選手が神戸にはたくさんいます。鹿島の自陣での守備としては、常に人を見てシュートを打たせない距離感でマークし続ける必要があります。ただ、スペースは簡単に空けたくない。この矛盾をどう解決するか。神戸はバイタルエリアからのミドルシュートや、サイドを深く取ってからクロスではなくてショートパスを繋いでくることもある。両チームにとって、この2つのスペースをめぐる攻防が、見どころになると思います。
 

Jリーグ優勝クラブで活動していたアナリストの第一任者杉崎健氏。Twitter(https://twitter.com/suzakken)やオンラインサロン(https://community.camp-fire.jp/projects/view/356767)などでも活動中。

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【著者プロフィール】
杉崎健(すぎざき・けん)/1983年6月9日、東京都生まれ。Jリーグの各クラブで分析を担当。2017年から2020年までは、横浜F・マリノスで、アンジェ・ポステコグルー監督の右腕として、チームや対戦相手を分析するアナリストを務め、2019年にクラブの15年ぶりとなるJ1リーグ制覇にも大きく貢献。現在は「日本代表のW杯優勝をサポートする」という目標を定め、プロのサッカーアナリストとして活躍している。Twitterやオンラインサロンなどでも活動中。

◇主な来歴
ヴィッセル神戸:分析担当(2014~15年)
ベガルタ仙台:分析担当(2016年)
横浜F・マリノス:アナリスト(2017年~20年)

◇主な実績
2017年:天皇杯・準優勝 
2018年:ルヴァンカップ・準優勝 
2019年:J1リーグ優勝
 
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