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【安永聡太郎】バルサはキケ・セティエン体制でCLを獲れるのか?戴冠には「メッシ+10人」の戦術的解決法が必要だ

カテゴリ:連載・コラム

木之下潤

2020年07月05日

メッシをフルに生かせる活用術は?

メッシの4ゴールで大勝した25節のエイバル戦のメンバー(配置は攻撃時)。

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 現在のバルサでは、メッシ以外の選手がどう動くかが大事になります。逆にそれ以外の選手からするとメッシを考慮してポジショナルな立ち位置を取らなければならず、「認知力+運動量」が求められるから、基本システムとメッシとの相性のいい選手の組み合わせがより重要になってきます。

 現状、試合を積み重ねて少しずつ変化してきましたが、キケ・セティエンの中で攻撃時についての基本システムは「2-1-4-1-2」がベターだという判断を下しているように思います。

 ツーセンターバックの前にブスケッツ、両サイドが幅をとってその間にインテルオール(インサイドハーフ)2枚がいて、ひし形のトップ下にメッシ、そして彼がツートップを操るような形です。メッシはサリーダ・デ・バロンにもチャンスメークにもフィニッシュにもすべてに絡むフリーマンです。守備時は両サイドが下って4バックになり、ツートップも下がってきてメッシが力一杯守備に関わらない形で守る。
 
 攻撃時についてはメッシが変則的にサリーダ・デ・バロンにも加わるし、敵陣内に入ったら相手に掴まれていない状態でチームの選択肢に後ろからも加わる。ボールに絡みながら自らがバイタルエリアにドリブルやワンツーで侵入してフィニッシャーにもラストパサーにもなる。

 これがメッシを生かせるフル活用術!

 キケ・セティエンの中では「これが一番グッド」と捉えているように気がします。しかし、僕はこの戦い方がバルサと同等以下のチームに対してしか通用しないと考えています。それは「メッシ問題」と大きく関わっており、これを解決することとセットで考えるべきテーマだからです。この問題については、もはや監督だけで解決できることではありません。

 そういう意味でも、キケ・セティエンが残りのシーズンでどんなシステム、組み合わせを作るのかが楽しみです。

分析●安永聡太郎
取材・文●木之下潤
※取材日は5月24日

【分析者プロフィール】
安永聡太郎(やすながそうたろう)
1976年生まれ。山口県出身。清水商業高校(現静岡市立清水桜が丘高校)で全国高校サッカー選手権大会など6度の日本一を経験し、FIFAワールドユース(現U-20W杯)にも出場。高校卒業後、横浜マリノス(現横浜F・マリノス)に加入し、1年目から主力として活躍して優勝に貢献。スペインのレリダ、清水エスパルス、横浜F・マリノス、スペインのラシン・デ・フェロール、横浜F・マリノス、柏レイソルでプレーする。2016年シーズン途中からJ3のSC相模原の監督に就任。現在はサッカー解説者として様々なメディアで活躍中。
 
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