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【安永聡太郎】バルサはキケ・セティエン体制でCLを獲れるのか?戴冠には「メッシ+10人」の戦術的解決法が必要だ

カテゴリ:連載・コラム

木之下潤

2020年07月05日

深さがないから敵の空間的な隙間を作れない!

このデンベレの長欠でバルサはウインガーが不足している。(C) Getty Images

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 さらに僕が気になったのは、バルサの深さの使い方です。

 ボールが横には動くし、多少縦にも入っているのですが、相手からすると縦に引っ張り出されていないから横のスライドだけで守備が対応できてしまっています。逆にバルサの立場からすると、縦にボールが出入りしないから空間として大きな隙間が生まれていない状況です。

 前回のレアル・ソシエダを取り上げたコラムでも語りましたが、彼らの良さは「ゴールキーパーを含め、自分たちがポジショナルな立ち位置を取れていないときは相手の状況に関係なく、ゲームを作り直していることが多い」ことです。GKやツーセンターバックまで戻すことで全員が立ち位置をセットアップし直しています。

「バルサより再現性の質が高い」レアル・ソシエダ躍進の秘密を戦術的に徹底解剖!
 
 それはなぜか?

 それはボールを失った直後に発生する攻守の切り替えが相手からのカウンターを食らうリスクが最もあるため、その点に対するリスクヘッジする意識も同時に高いからであり、ポジショナルな立ち位置を取ることによって「再現性」の高い攻撃を仕掛けたい意図があるからです。

 そう考えてバルサとソシエダを比較すると、どうしても「認知力+運動量」という点で「メッシ問題」が無視できなくなります。

 相手を自陣に張り付かせ、後方にボールを下げてもう一度やり直す方法が効果的かどうかはわかりませんが、少なくとも深さを持ってポゼッションをするには自分たちにも走行距離が必要になります。ソシエダのピボーテ(アンカー)とインテリオールの中盤3枚はどの試合も前半だけで6キロを超えるような運動量を出しているし、必然的に相手も走らせています。

 バルサのゲームを見ていると、相手チームはイメージより走らされていません。

 縦の動きと言っても、相手にとっては押し込まれることが前提で最前線の選手がハーフウェーラインを超えずに手前の位置で動いておけばいいんですよね。自陣のゴールエリアから計算すると40メートルくらいの深さでコンパクトに保つことができるし、さらに幅68メートルを横スライドするだけなので運動量としてはそう多く求められることはありません。イコール、体力も想像以上には消耗しないから相手からすると「動かされている量が少ない」ので我慢できる展開になっています。

 ジョルディ・アルバの前への飛び出しもそうですが、攻撃時は少なからず相手を引っ張り出して背後にスペースを作り出さないとゴールに結びつけることは厳しいし、今のままならサイドには相手に脅威を与えられるウイングが必要になります。
 
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