ハメス投入にも動揺せず、73分に再び歓喜が訪れる
39分にファン・フェルナンド・キンテーロにFKを直接蹴り込まれて一旦は1-1に追いつかれた日本だが、決して焦りはなかった。最悪、引き分けもいい。そう試合後に語ったのがCBの吉田麻也だ。
「前掛かりになりすぎてカウンターを食らわないように、最悪1-1でもオーケーというくらい割り切っていました。味方にもそう伝えていましたし、2-1になった時も『たとえ2-2になっても焦らずやろう』と声かけていました」
4年前のブラジル・ワールドカップ初戦でコートジボワールに逆転負けを喫した経験があったからだろう。同点にされても、慌てず戦おうという共通認識が、この日の日本にはあった。CBの昌子は言う。
「前半のうちに(日本の)2点目はない。しっかり守って、前半を終える。ハーフタイムにすごくポジティブな声も出ていたし、まだ同点やし。『行ける、行ける』って。しっかりウチがボールを保持して、隙を突いて1点取ろうという話をしていた」
事実、後半の日本も実に落ち着いていた。59分にコロンビアの“10番”ハメス・ロドリゲスが投入されても動揺はなかった。
「トップパフォーマンスだったら嫌でしたが、そこまでキレを感じなかった。もちろんタメを作られるとかやりにくさはありましたが、(ハメスの状態が)100パーセントじゃなかったのはすごく大きかった」(原口)
コロンビアの運動量が明らかに落ちた後半途中からは日本が試合の主導権を握った。ロースコアで相手を焦らせるという、アップセットを起こすための戦略を日本は見事に体現していたのである。
「前掛かりになりすぎてカウンターを食らわないように、最悪1-1でもオーケーというくらい割り切っていました。味方にもそう伝えていましたし、2-1になった時も『たとえ2-2になっても焦らずやろう』と声かけていました」
4年前のブラジル・ワールドカップ初戦でコートジボワールに逆転負けを喫した経験があったからだろう。同点にされても、慌てず戦おうという共通認識が、この日の日本にはあった。CBの昌子は言う。
「前半のうちに(日本の)2点目はない。しっかり守って、前半を終える。ハーフタイムにすごくポジティブな声も出ていたし、まだ同点やし。『行ける、行ける』って。しっかりウチがボールを保持して、隙を突いて1点取ろうという話をしていた」
事実、後半の日本も実に落ち着いていた。59分にコロンビアの“10番”ハメス・ロドリゲスが投入されても動揺はなかった。
「トップパフォーマンスだったら嫌でしたが、そこまでキレを感じなかった。もちろんタメを作られるとかやりにくさはありましたが、(ハメスの状態が)100パーセントじゃなかったのはすごく大きかった」(原口)
コロンビアの運動量が明らかに落ちた後半途中からは日本が試合の主導権を握った。ロースコアで相手を焦らせるという、アップセットを起こすための戦略を日本は見事に体現していたのである。
そして73分、再び歓喜の瞬間が訪れる。香川に代わって途中出場した本田圭佑のCKから大迫がヘッドで決勝弾‼ 試合前は肩身が狭そうだった日本のサポーターもここぞとばかりに喜びを爆発させた。
殊勲の大迫が口にしたのも「前回の経験」だった。
「前回は初戦であのような負け方をしてしまって、個人的にも何もできなかった。その経験からワールドカップは全てが上手くいく大会ではないので、悪い時もある。その時に自分たちがどれだけ歯を食いしばって頑張れるかだと思うし、その辺は経験があったのでスムーズに試合ができたと思います」
開始早々の退場劇、ハメスのコンディション不良など、日本がいくつかの幸運に恵まれたのは事実だ。ただ、コロンビア戦前後の選手のコメントから判断するかぎり、決して運だけで勝ったわけではない。
ガーナ戦とスイス戦の敗戦がチームに確かな危機感を植え付け、4年前の苦い経験が良い意味での緊張感をもたらしてくれた。理想を追い求めず、恰好つけず、一人ひとりがガムシャラになって走り、戦った結果がコロンビア戦の勝点3だった。
振り返れば、ゼーフェルト合宿の時に長友もこう言っていた。
「ブラジル大会の時は理想ばかりを追い求めてしまって、結局ワールドカップの舞台で失敗したじゃないですけど、結果が出なかったので。僕はそれを経験して、理想ばかりでは勝てないことを知った。とにかく自分たちが下手だということを、自分たちが強くないということをまずはしっかりと認めたうえで 自分たちにできるサッカーを1人ひとりが100㌫出し切るって、ただそれだけかなと」
自分たちは下手──。そうした割り切りこそが、“走る、戦う”という精神を呼び覚ます原動力になったのかもしれない。
取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)
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殊勲の大迫が口にしたのも「前回の経験」だった。
「前回は初戦であのような負け方をしてしまって、個人的にも何もできなかった。その経験からワールドカップは全てが上手くいく大会ではないので、悪い時もある。その時に自分たちがどれだけ歯を食いしばって頑張れるかだと思うし、その辺は経験があったのでスムーズに試合ができたと思います」
開始早々の退場劇、ハメスのコンディション不良など、日本がいくつかの幸運に恵まれたのは事実だ。ただ、コロンビア戦前後の選手のコメントから判断するかぎり、決して運だけで勝ったわけではない。
ガーナ戦とスイス戦の敗戦がチームに確かな危機感を植え付け、4年前の苦い経験が良い意味での緊張感をもたらしてくれた。理想を追い求めず、恰好つけず、一人ひとりがガムシャラになって走り、戦った結果がコロンビア戦の勝点3だった。
振り返れば、ゼーフェルト合宿の時に長友もこう言っていた。
「ブラジル大会の時は理想ばかりを追い求めてしまって、結局ワールドカップの舞台で失敗したじゃないですけど、結果が出なかったので。僕はそれを経験して、理想ばかりでは勝てないことを知った。とにかく自分たちが下手だということを、自分たちが強くないということをまずはしっかりと認めたうえで 自分たちにできるサッカーを1人ひとりが100㌫出し切るって、ただそれだけかなと」
自分たちは下手──。そうした割り切りこそが、“走る、戦う”という精神を呼び覚ます原動力になったのかもしれない。
取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)
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