【湘南敗因検証】J1はロマンだけでは生き残れない。降格を“予兆”した指揮官の言葉

カテゴリ:Jリーグ

塚越 始(サッカーダイジェスト)

2016年10月28日

スタジアムもJ1のキャパに対応できず。選手はより良い環境を求め、湘南を離れて行く。

曺監督の来季去就はいかに? 間もなく決断が下されそうだ。写真:佐藤明(サッカーダイジェスト写真部)

画像を見る

 また、「スタジアム問題」もここに来て、前進が見られた。平塚市、藤沢市、茅ケ崎市などに22年以降を目処に、専用スタジアムを建設する構想が浮上したという。
 
 Shonan BMWスタジアム平塚一帯の雰囲気は申し分なく、ひとりでも欠けたら、このチームは成り立たないという、熱くて真摯なサポートのスタンスが伝わってくる。

 しかしスタジアムは、残念ながらJ1最低ランクである。ゴール裏が立ち見で、屋根がなく雨ざらしで、老朽化が著しい……。今季最多は第1ステージ4節の浦和戦で14,419人だった。

 J1最低基準のキャパシティは1万5000人で、今季のBMWスタジアムは1万5200人で届け出ている。もはやJ1クラブライセンスは、ぎりぎりのレベルで認められているのが実情である。アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)の試合は、開催できない可能性が極めて高いと言われる。
 
 このままでは、選手は恵まれた環境を求め、湘南を去っていくだけだ。そのようなスタジアムに、全国のサポーターが訪れている。こうした事態に、そろそろ正面から目を向けるべきだ。
 
 曺監督がたとえた「私たちの車」というヴィークルには、そういったハード面も含まれるだろう。

 小よく大を制す、というベルマーレの精神は間違いなく礎となる。ただ、湘南が再び「小」であるからこその俊敏性や機動力を生かし、より力強く加速していくためには、あらゆる面で限界を超えなければならない。それは難しいことだが、「湘南ベルマーレ」であればできるはずだ。
 
文:塚越 始(サッカーダイジェスト編集部)
【関連記事】
【J1展望】湘南×甲府|第2ステージホーム初勝利なるか? J1残留を敵地で引き寄せられるか?
【湘南】「ブーイングされてもいいと思った」。主将・高山薫は試合後の拍手に何を思うか
【湘南】J2降格という現実――大怪我から復帰した菊地俊介がサポーターに立てた誓い
【J1採点&寸評】大宮×湘南|3失点しては…敗戦で湘南のJ2降格が決まる
【湘南】曹監督が超キレた。ホーム7連敗、不満爆発のサポーターと一触即発!

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト いざアジア王者へ!
    5月10日発売
    悲願のACL初制覇へ
    横浜F・マリノス
    充実企画で
    強さの秘密を徹底解剖
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト ガンナーズを一大特集!
    5月2日発売
    プレミア制覇なるか!?
    進化の最終フェーズへ
    アーセナル
    最強化計画
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ