【湘南敗因検証】J1はロマンだけでは生き残れない。降格を“予兆”した指揮官の言葉

カテゴリ:Jリーグ

塚越 始(サッカーダイジェスト)

2016年10月28日

繰り返される“大量補強”の失敗。指揮官の戦術をなかなか成熟できず…。

新人の神谷らを“鍛える”時間はJ1では限られた。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 昨季J1での躍進を目の当たりにし、曺監督の下でプレーしたいという選手が、湘南の門を叩いてきた。端戸仁であり、下田北斗であり、長谷川アーリアジャスールであり……。新人の神谷優太も昨夏に湘南の練習に参加し、成長できると実感したと言っている。

 相手に考える時間を与えず、次々に球際へ襲い掛かり、ボールを奪った勢いのままゴールへ一直線に突き進む――。そんなスタイルのもとでプレーしてみたい、そのスタイルだからこそ輝けるはずだ、そんな選手たちが加わったのは確かだ。
 
 第2ステージ3節・G大阪戦(●1-2)の三竿雄斗の鮮やかな先制ゴールなど、湘南らしい閃光を放った瞬間は確かにあった。とはいえ、シーズントータルで見ると、「湘南スタイル」を発揮した機会は極めて限られた。

 曺監督が狙うのは、全員が連動し合うスタイルである。ここまで主力メンバーが大幅に代わっては機能しない。そんな現実を突きつけられた。
 
 なにより、強化費がJ1でも低水準にあると言われる湘南だが、補強の成功例は非常に限られる。躍進した昨季も、新戦力でハマったのはDFのアンドレ・バイアのみ。基本的にレギュラーはその前年にJ2で旋風を起こした戦力で固められていた(復帰組の高山も含め)。

 そして今季、新戦力で20試合以上に先発したのはGK村山智彦のみ。フィールドでは端戸仁の17試合(4得点)が最多で、続いて下田北斗の16試合だった。

 J1では“鍛える”時間は限られる。シーズン序盤に躓けば、なおさら結果が求められ、経験を積ませる余裕はなくなっていった。
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