【湘南敗因検証】J1はロマンだけでは生き残れない。降格を“予兆”した指揮官の言葉

カテゴリ:Jリーグ

塚越 始(サッカーダイジェスト)

2016年10月28日

曺監督がなんとかしてくれるだろう、というフロントの淡い期待。

来季の加入が内定している市立船橋高の杉岡。湘南の新たなベースを築くための注目株だ。(C)SOCCER DIGEST

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 シーズン途中を含めたメンバーの加入数は、14年が15人、15年が16人、そして今季も15人を数える。チームを構成する半数近い人数である。湘南に限った話ではないとはいえ、この“大幅”なメンバーの入れ替えが、ほぼ毎年繰り返されている。

 もちろん今季もチームの心臓部である、パウリーニョ(現・松本)が順調にハマり、菊地俊介の怪我による長期離脱がなければ、結果は大きく異なっていたかもしれない。それでも、この毎年の“大刷新の常態化”は、プラスに働いているとは言えない。なにより、そのようにメンバーが入れ替わっては、指揮官の戦術を成熟させていくのは難しいと、今季の成績も物語っている。
 
 他チームでは主力になれなかったものの、湘南で鍛えられればモノになるはず――。そういう「仮定」のもと、戦力を獲得してくるわけだが、J1のステージはそう甘くなかった。そこには、曺監督がなんとかしてくれるだろう、というフロントの淡い期待も見える。

 J1はロマンだけを語っていては生き残れない。J1主力クラスを何とかして引っ張ってこなければ、勝ち続けられない。間違いなくそんなメッセージの込められた結果を突き付けられた。
 
 そしてJ2降格の決まった大宮戦後、曺監督は次のように言った。

「真っ向勝負で行って、崩し切れなかったり、エアポケットで失点してしまったり、そういう試合が多かった。それがチームとしての力だと思っている。ただ、それを続けることが、このチームが次のステップに行ける道だと思っている」
 
 選手たちは誰も手を抜いていないし、悔しさを糧に這い上がろうとしてきた。悲しく、辛く、悔しい。それでも、すべてを受け止め、再び前進するしかないと――。
 
 クラブは曺監督に続投のオファーを出したという。おそらく、早い段階で、指揮官の来季去就は決定されるだろう。

 一方、来季は市立船橋高の大物DF杉岡大暉が加入し、U-18日本代表の齊藤未月が本格合流し、石原広教も昇格する。新たなチームの基礎を築くべき、“鍛えがい”のあるメンバーが揃う。
 
 もちろん再びJ2での過酷なレースが待っているが、再びJ1復帰を果たせる日が訪れたならば、J1での2シーズン目を、いかにして乗り越えるか。かなり先になるが……そこまで視野に入れて戦いたい。
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