【湘南敗因検証】J1はロマンだけでは生き残れない。降格を“予兆”した指揮官の言葉

カテゴリ:Jリーグ

塚越 始(サッカーダイジェスト)

2016年10月28日

「前傾」を取り戻そうとした第2ステージ、わずか1勝しか挙げられず。

大宮戦で2ゴールを挙げたジネイ。来季もチームに残れば、「新エース」として期待できそうだ。写真:佐藤明(サッカーダイジェスト写真部)

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 第2ステージ15節を終えた時点で、年間17位、5勝6分21敗。リーグワースト2位の22得点、同3位の55失点。残念ながら、その厳しい成績が、すべてを物語っている。
 
 しかも、第1ステージで勝星をなんとか拾っていた時も、粘って、耐えて、辛うじて、ある意味、運も味方につけて勝利を手中に収めていた。ただし、重心が後ろに傾き、前から襲い掛かる湘南のプレッシングスタイルとはかけ離れていた。
 
 そこで日本代表戦などを挟んだ中断期間などに、改めて敵陣で積極的にボールを奪おうとする「前傾」姿勢を取り戻そうと、練習から取り組んでいた。湘南らしさを取り戻そうとしたのだ。ところが……第2ステージは、わずか1勝しか挙げられなかった。
 
 明らかに、完敗だった。
 
 J2での快進撃の勢いと選手の成長が噛み合った昨季、クラブ史上最高となる年間8位の成績を収めた。しかし、昨オフに主力選手が相次いで退団していった。

 さらに、選手だけではなかった。社長が大倉智氏から水谷尚人氏へ、強化部長が田村雄三氏(テクニカルディレクター)から小原光城氏に交代するなど、フロントの顔ぶれも一新された。曺監督もオファーを受けた新潟、FC東京、京都など他クラブと接触していることが明らかになる。

 湘南ではこれ以上は見込めない――というような動きが相次いだのである。 

 もちろんプロなのだから、各クラブからの評価を受けることは自然な流れでもある。結果的に、曺監督は昨年11月中旬に湘南「続投」を決断。ただ選手の移籍マーケットでは完全に後手を踏んでしまった。

 それでも、J1で2シーズン目を戦うメリットはあった。
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