【連載】識者同士のプレミア放談「ジェラードが遺したもの――」

カテゴリ:ワールド

田邊雅之

2015年05月15日

ロングビーチの砂浜を散歩している姿は想像できない?

真紅のユニホームを着て躍動するジェラードの姿が見られるのはあと2試合。去り行くレジェンドは何を遺したのだろう。 (C) Getty Images

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田邊:最後にいい話が出てきて安心しました(笑)。残りは2節ですね。
 
山中:今週末がアンフィールドでの最後で、24日の最終節がアウェーのストーク。その後はアメリカに渡っちゃいます。
 
田邊:ぶっちゃけた話、MLSに渡ったプレミアのOB選手は話題先行型で、チームが優勝する大原動力になったとか、目から鱗のプレーをして衝撃を与えたと言われるようなケースは少なかった。だからこそジェラードには、なおさら期待が集まっている。
 
山中:レギュラーやチームにさえこだわらなければ、プレミアであと1~2年はまだまだやれる選手ですから。個人的にも、ピッチの上で今度こそ満ち足りた思いを味わってほしいという気持ちは強い。
 
 でも移籍先がロサンゼルス(ギャラクシー)だというのが、いまだにピンと来なくて。日焼けしたジェラードとか、ロングビーチの砂浜を散歩している姿なんて想像できない(笑)。
 
田邊:単純に似合わないですよ。彼の場合は、マージーサイドの裏通りで、フィッシュ・アンド・チップスをつまんでいたりする方がしっくりくる。
 
山中:そう。MLSに行くにしてもシカゴだとかカナダみたいに、ちょっとメインストリームから離れた地域のクラブチームならハマったのかなと。
 
 どのチームに行っても、アメリカの選手たちはジェラードの英語をほとんど理解できないでしょうけどね(笑)。
 
構成・文:田邊雅之
協力:山中忍
 
【識者プロフィール】
田邊雅之
1965年、新潟県生まれ。『Number』をはじめとして、学生時代から携わっていた様々な雑誌や書籍の分野でフリーランスとして活動を始める。2000年からNumber編集部に所属。プレミアリーグ担当として数々の記事を手がけた後、南アフリカW杯を最後に再びフリーランスとして独立。主な著書に『ファーガソンの薫陶』(幻冬舎)、翻訳書に『知られざるペップ・グアルディオラ』(朝日新聞出版)等がある。最新の翻訳書は『ルイ・ファンハール 鋼鉄のチューリップ』(カンゼン)。
 
山中忍
1966年生まれ、青山学院大学卒。94年渡欧。イングランドのサッカー文化に魅せられ、ライター&通訳・翻訳家として、プレミアリーグとイングランド代表から下部リーグとユースまで、本場のサッカーシーンを追う。西ロンドン在住で、チェルシーのサポーター。
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