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【安永聡太郎】久保建英はなぜ中断明けから“王様”になれたのか?「中田英寿以来かもしれない」

カテゴリ:連載・コラム

木之下潤

2020年08月05日

なぜ1年目で“王様”になれたのか?

独特の間合いのドリブルで敵を翻弄。その突破はしばしば衝撃を与えた。(C) Getty Images

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 スペインでは、どんなに技術が高くてもリーグの、所属チームの、対戦相手の空気感の中で自分の間合いを持ってプレーできなければ己の力は発揮できない。相手の間合いでゲームをしたり、相手守備の間合いでプレーしたりすると、たちまちボールを奪われてしまう。

 久保が秀逸だと思うのは、ドリブルしながら「相手の間合いだ」と感じると自分の間合いに戻すためにクッと身体の向き(へその向き)を変えられる。足の内側で少しボールを引っかけるようなドリブルをして自分の間合いに修正し直すんだ。

 要は、相手を自分の間合いに無意識に引っ張り込める。

 だけど、相手はそれに気づかず、「取れる」と思ってボールに寄せるんだけど、その瞬間に、久保はボールを前に持ち出したり、ダブルタッチでかわしたりしている。それを「緩急がうまい」と表現する人もいるけど、緩急をどのタイミングでつけるのか、どの間合いで使うのかの判断がすばらしい。
 
 よく1対1の特集で、久保が足下の技術、ボール扱いがうまいと取り上げられる。たしかにうまいけど、相手がいる中で使えなければ意味がない。彼の才能を発揮するには条件が2つある。一つは、足下の技術を「自分の間合いで使おう」と挑戦できるメンタリティーを持っていること。そして、実行できるタイミングでボールが回ってくるように仕向けること。

 シーズン当初は久保がほしいと思ったときにボールは来なかった。準備の整わないタイミングでボールが入ってくるから相手のほうが状態がよく、プレスバックによる挟み込みも受けるから潰されることが多かった。だから、マジョルカにとっては中断期間中に久保のプレービジョンに共鳴できたのは大きかった。もちろん本人にとっても良いタイミングでボールが回ってくるから一石二鳥だった。

 シーズン1年目でチームの王様に君臨できたのは、ペルージャに移籍したときの中田英寿以来じゃないかな。

 たった1シーズンで王様と呼べるレベルで活躍したのは本当にすごい。久保自身がパフォーマンスの成長を見せられたことと、自らのプレービジョンがゴールを生み出せることを証明できたのが大きかったんだと思う。
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