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「脳はね、進化できる」遠藤保仁が語り明かす流儀、哲学、そして真髄。【独占・全文公開】

カテゴリ:Jリーグ

川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)

2020年07月23日

久保くんにはね、すごく感じる部分がある。ホントにすごいよ、あの年で。

遠藤も絶賛する久保建英の“遊び心”。小さくない期待を寄せている。(C)Mutsu FOTOGRAFIA

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 分け隔てなく、誰とでも気さくに話せるタイプの人間だ。チームメイトやファン・サポーターに対してはもとより、メディアにとっても長きに渡ってアイドルである。いつも試合後には、老若男女を問わず、数多の取材者がヤットの声を拾おうと集まってくる。メディアを惹きつけるのも、大事な能力のひとつだ。

「しゃべることもひとつの仕事。代表に入ってから、そこはすごく考えるようになった。影響力があると思うから、メディアの人も俺に話を聞きにくるわけでしょ。爆弾発言はしないし、内容には気をつけて話してるけど、大事な役割のひとつだと思って接している。

 若いときは気持ちに波があるから対応もまちまちだったけど、プロとして果たすべき仕事。悪いときでもひと言ふた言は発して、今日はすいませんって言えるかどうかやと思う。ドイツから南アにかけてですごく重要だと感じたし、メディアとはすごく良い距離感でやれてきたかなって」

 では、日本サッカー界の次代を担う若きJリーガーたちのことはどう捉えているのだろうか。価値観における世代間ギャップはあるにせよ、生き字引・ヤットの言葉には、スタープレーヤーへと成長を遂げるためのヒントが隠されているはずだ。

「若手には期待しているところが大きいんだけど、なんかこう、真面目すぎるのかな。もちろん私生活とかじゃなくて、プレーに対してね。これをしないとアカン、これをしなさいって言われすぎてるのかもしれない。それは分かるんだけど、だとしてももっと自分の色を出してほしい。

 対戦相手でもそう思う。全員がハードワークしないとダメだ、球際で戦わなきゃとかに意識が行きすぎてる。自分はもっとカッコ良くセクシーにプレーしたいんです、って選手が出てきてもいいよね。球際で勝てば、試合に勝てるのかってところよ。先に行きすぎてるような気がする。

 自分のとこに来たら全部シュートに行くんじゃなくて、周りも使いながら、遊び心を持ってトリッキーにやってもいい。相手のゴール前ならね。もっと好きなように、自分が思うようにやればいいのにって」

 
 そんななかでも、ヤットの琴線に触れた若き才能がいる。今シーズン、マジョルカでプレーした久保建英だ。

「久保くんにはね、その遊び心のところですごく感じる部分がある。相手をいなしてやりたいんやろなって。ホントにすごいよ、あの年で。去年までJリーグにいたけど、もうすでにチンチンにしてたからね。

 ちょっとブラジルっぽいプレーもするし、ああいう日本人の若手はいないでしょ。遊んでやろうみたいな。アキ(家長昭博)とかも若い頃から独特で、相手が寄せて来たらはたくし、来なければなんでもできますよ、みたいなところがあった。でも大半の若手は、目の前に敵がいても簡単にシュートを選択しがち。どこかみんなバタバタしている感じがする」

 根底にあるのは、娯楽性の高いサッカーへのリスペクトだ。

「トレンドに乗っかるだけがサッカーじゃない。いまはどうしても、全部がそっちに寄せていきすぎな気がする。いつどこで点が生まれるか。そんなチーム、そんな選手が個人的にはもっともっと増えてほしいなって思う」
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