プレミア勢同士のファイナルはどんなドラマが生まれるのか。
バルサに14年ぶりのタイトルをもたらす原動力となったのは、途中出場で流れを変えたアンドレス・イニエスタであり、ヘンリク・ラーションだった。そして77分の決勝ゴールは、その6分前に投入されていた伏兵ベレッチの右足から生まれている。
さらにイスタンブールでは、後半の頭から4バックを捨て3バックに変更したラファエル・ベニテス監督の思い切った一手が、大きく流れを変えた。
さらにイスタンブールでは、後半の頭から4バックを捨て3バックに変更したラファエル・ベニテス監督の思い切った一手が、大きく流れを変えた。
ただ、それでも──。
信じられないような奇跡やドラマチックな逆転劇を呼び込む“最後のひと押し”は、やはり勝利を信じる強い心であり、戦術や定石を超越したところにある情熱ではないだろうか。サッカーというスポーツが昔も今も変わらず世界中で愛され続ける理由は、ただ一点そこにあると、私はそう思っている。
リバプール対トッテナムという、プレミアリーグ勢同士の戦いとなった今シーズンのファイナル。たとえ後世に語り継がれるような奇跡は起こらなくても、両者のパッションが火花を散らすような熱いバトルが見られることを、期待している。
文●吉田治良(スポーツライター)