CL決勝が紡いできた「奇跡」の歴史。逆転のドラマが生まれるには、そこに必ず理由がある

カテゴリ:連載・コラム

吉田治良

2019年05月30日

ドラマチックなエンディングには、エンターテインメントが凝縮されている。

リバプールとトッテナムが激突する今年のCL決勝では、どんなドラマが生まれるか楽しみだ。(C)Getty Images

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 推理小説が面白いのは、最後にどんでん返しが用意されているからだ。
 
 運動会のリレーだって、最初に抜け出したチームがそのままゴールテープを切ったらつまらない。
 
 例えば「逆転サヨナラ」は、野球というスポーツの醍醐味のひとつだろう。
 
 サッカーも同じ。「試合展開よりその中身だ」なんて、小難しい顔をして語るつもりはない。胸のすくような逆転劇には、「奇跡」と表現するしかないドラマチックなエンディングには、エンターテインメントが凝縮されている。
 
 そして、それがヨーロッパ最高峰のチャンピオンズ・リーグ(CL)の舞台で観られたのなら、誰だって無条件で興奮するに違いない。
 
 奇しくも今シーズンのセミファイナルは、2カードとも第2レグでの逆転劇で決着がついた。リバプールがバルセロナを相手に、トッテナムがアヤックスを相手に、状況や展開は異なるものの、いずれも3点のビハインドをひっくり返している。あの2試合に胸が高鳴らなかったというサッカーファンがいたら、是非ともそのワケを伺ってみたい。ちなみに私はバルサ対アヤックスの“クライフ・ダービー”の実現を願っていたひとりだが、そんなことは関係なしに痺れさせてもらった。
 

 もっとも、こうした派手な逆転劇が、CLの「ファイナル」でもたびたび観られるかと言えば、その歴史を紐解いてもなかなかのレアケースだ。
 
 大会名が「チャンピオンズ・カップ」から「チャンピオンズ・リーグ」に変更された1992-93シーズン以降、レアル・マドリーがリバプールを下して3連覇の偉業を成し遂げた昨シーズンまでの計26回のファイナルで、逆転劇は計6回。ただし、そのうち延長戦、さらにはPK戦を経て決着がついたのが4回で、90分間での逆転劇はたったの2例しかない。
 
●90分間で逆転勝利
・1998-99シーズン/〇マンチェスター・ユナイテッド 2-1 ●バイエルン・ミュンヘン
・2005-06シーズン/〇バルセロナ 2-1 ●アーセナル
 
●延長戦の末に逆転勝利
・2013-14シーズン/〇レアル・マドリー 4-1(1-1→延長3-0) ●アトレティコ・マドリー
 
●延長・PK戦の末に逆転勝利
・2000―01シーズン/〇バイエルン・ミュンヘン 1-1(5PK4) ●バレンシア
・2004-05シーズン/〇リバプール 3-3(3PK2) ●ミラン
・2011-12シーズン/〇チェルシー 1-1(4PK3) ●バイエルン・ミュンヘン
 

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