「W杯決勝を蹴った写真家」の実像。“唯一無二”への強いこだわりとは?

カテゴリ:特集

白鳥大知(ワールドサッカーダイジェスト)

2019年01月23日

「W杯決勝を蹴ったカメラマンは私が…」

『No hands 2』にはサポーターの写真も多い。

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――さて、次に問題の(笑)決勝です。決勝はFIFAからアクレディテーション(取材認定)がおりたにもかかわらず、それをあえて蹴って、クロアチアのザグレブに行きましたよね。あの決断には驚きました。かなりの倍率の中で選ばれたはずなのに……。(注:W杯などの国際大会では、記者もカメラマンも大会そのものの取材許可が出た後、1試合ごとの申請が必要で、そのたびに可否が出る。決勝は当然ながら倍率が高い)。
 
「私が初めてかもしれないですね。W杯決勝のアクレディテーションが通ったのに、それを蹴ったカメラマンは」
 
――そうでしょうね。身内に不幸でもない限り、蹴る人はいないと思います。いや、それでも残る人が多いかもしれません。
 
「南アフリカではスタンド(カメラマンの撮影枠はピッチのみならず、スタンドにもある)、ブラジルではピッチで撮らせてもらったんですよ。だからロシアでは違うことがしたいと思っていて。もちろんW杯決勝に入れるのは名誉なことです。でも、人と違うことをするのをモットーにしているので、悔いはないです」
 
――では、なぜザグレブに?
 
「決勝のカードがフランス対クロアチアに決まった時点では、パリに行こうと思っていたんですよ。シャンゼリゼ通りやエッフェル棟に集まるファンを撮りにいこうと思って。モスクワからパリ行きの飛行機もすぐに抑えました。でもその直後に、準決勝のザグレブの様子をテレビで見て、衝撃を受けたんです。発煙筒をバンバンたいていて、すごい迫力で。それで、今回はパリじゃなくてザグレブだなと。フランスはW杯決勝が3回目でしたし、これからも何度もあると思います。でも、クロアチアがW杯決勝に進むなんて、もう未来永劫ないかもしれないですしね」
 
――なるほど。その決断の裏には、奥様の後押しもあったと言ってましたよね?
 
「はい。『あなたの写真集はFIFA公式ではなく、龍フェルケル名義でしょ。あなたにしか撮れない写真を撮りに行くべきだわ』って言ってくれて。でも、奥さんフランス人なので、本当はパリに行って欲しかったらしいですけど(笑)」
 
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