「W杯決勝を蹴った写真家」の実像。“唯一無二”への強いこだわりとは?

カテゴリ:特集

白鳥大知(ワールドサッカーダイジェスト)

2019年01月23日

「極端に撮ったほうがインパクトがあると思う」

『No hands 2』の表紙と中面。タトゥーの度アップも。

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――さて、そろそろ写真の話を聞かせてください。いつも思うんですが、龍さんの写真は喜怒哀楽が絶妙に表現されていますよね。
 
「そう言っていただけると嬉しいですね。サッカーというスポーツは、ゴールだけがすべてではありません。試合中に色々なことが起こっているし、いろいろなシーンがあります。その状況状況で、選手は喜怒哀楽を発散します。私はそれが撮りたいんですよ。他の人が撮らないような決定的な瞬間を。いわゆる報道カメラマンは勝ち負けばかりにフォーカスしますが、それはもったないと思うんですよね。美しい瞬間はゴールシーン以外にもたくさんありますから」
 
――なるほど。このフォトブックでもう一つ特長的だと思ったのが、アップ写真の多さです。一瞬では誰だか分からないくらい、寄りのカットが多いですよね?
 
「そうですね。アップもしくはワイドが多い。中途半端が嫌いなもので(笑)。寄り過ぎた写真って、雑誌や通信社ではあまり採用されないので、みんな撮らないんですよ」
 
――たしかに、雑誌編集者という立場から言わせていただくと、アップすぎる写真はページで使うのがやっぱり難しいです。
 
「でも、極端に撮ったほうがインパクトがあると思うんですよね。サッカーダイジェストさんでインタビュー撮影などをさせていただくときも、アップのポートレートばっかり撮っています(笑)」
 
――その極端と言う意味で面白いなと思ったのが、選手のタトゥーに寄った写真です。
 
「あっ、あれはタトゥーを狙って撮ったものじゃないんですよ。偶然です」
 
――偶然かーい(笑)。
 
「はい(笑)。でも、ディテールの写真が欲しかったので使いました。行き当たりばったりの時と、狙って撮る時と両方ありますけど、私は行き当たりばったりのほうが良いものが撮れるケースが多いですね」
 
――それは、いわゆるセンスが良いってやつですかね。
 
「う~ん、好き勝手にやっているだけなので、センスと呼べるかどうか。私の写真って賛否両論だと思うんですよね。好きな人は好き、嫌いな人は嫌い。でも、それで良いと思うんです。万人に受ける写真は撮りたくないので」
 
――いわゆる「唯一無二の一枚」が撮りたいってことですかね? だから、人とは違った構図にも場所にもこだわると。
 
「まさにそれです。それを目指さなきゃ、この仕事をしている意味がないかなと」
 
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