「悲しみのシーンをゾクゾクしながら撮っている自分がいます」
――今回の写真集でもうひとつ特長的なのが、「喜び」よりも「悲しみ」の場面のほうが多いことです。
「そうですね。悲しみ大好きなんですよ。負ける、挫折、涙。最高ですね。そのシーンをゾクゾクしながら撮っている自分がいます。そもそも今回の元々のコンセプトは「悲しみ」だったのですが、デザイナーに却下されました(笑)」
――それじゃあW杯写真集として振り切りすぎだと(笑)。
「そうそう(笑)。だから歓喜も少し入れました。ただ、一般的な報道って、どうしても勝者をフィーチャーしがちじゃないですか。でも、ワールドカップのような大会では、負けるチームのほうが圧倒的に多いんですよね」
――たしかに、ロシアで最後まで笑えたのはフランスだけで、残りの31か国はどこかの段階で必ず泣いています。
「そうなんですよ。そこで彼らの夏の夢が終わる。その瞬間を切り取りたくて。負けた瞬間の絶望と涙、そしてその後のヨットで美女をはべらす夏休みを想像している彼らを(笑)」
――う~ん、やっぱり捻くれてますね~(笑)。
「はい、捻くれてます(笑)」
「そうですね。悲しみ大好きなんですよ。負ける、挫折、涙。最高ですね。そのシーンをゾクゾクしながら撮っている自分がいます。そもそも今回の元々のコンセプトは「悲しみ」だったのですが、デザイナーに却下されました(笑)」
――それじゃあW杯写真集として振り切りすぎだと(笑)。
「そうそう(笑)。だから歓喜も少し入れました。ただ、一般的な報道って、どうしても勝者をフィーチャーしがちじゃないですか。でも、ワールドカップのような大会では、負けるチームのほうが圧倒的に多いんですよね」
――たしかに、ロシアで最後まで笑えたのはフランスだけで、残りの31か国はどこかの段階で必ず泣いています。
「そうなんですよ。そこで彼らの夏の夢が終わる。その瞬間を切り取りたくて。負けた瞬間の絶望と涙、そしてその後のヨットで美女をはべらす夏休みを想像している彼らを(笑)」
――う~ん、やっぱり捻くれてますね~(笑)。
「はい、捻くれてます(笑)」
――『No hands 2』は「W杯写真集」という大テーマがあるのに、ファン、サポーターの写真も異常なほど多いですよね。
「ブラジルW杯ではあまりサポーターを撮らなかったんです。はじめてW杯を撮った南アフリカ(2010年)で、各メディアが美女ばかり扱っているのに幻滅して(笑)。だからブラジルは控えめにしていたので、ロシアではけっこう狙いにいって、写真集にも多めに盛り込みました。試合が終わった後も、ピッチだけじゃなくてスタンドにもフレームをかなり向けました」
――そんなカメラマンはなかなかいないですよね。とくに印象的だった試合はありますか?
「準決勝のイングランド対クロアチア戦ですかね。負けた側のイングランド・ファンがオアシスの名曲(Don’t Look Back in Anger)を歌いながら、お互いを慰め合って、そして大泣き。鳥肌がたちましたね」
――僕もその会場にいましたが、たしかにあれはすごかった。身震いしました。
「イングランドのファンはすごくエモーショナルなので、被写体として最高ですね。負けてもすごく絵になる。勝ちだけが素晴らしいわけじゃない。負けも素晴らしいんです。スポーツから敗者をとったら面白くないですよね」
――ロシアW杯は18試合を撮影したと言ってましたが、日本の試合は?
「セネガル戦(グループリーグ第2戦)だけですね。日本の試合は日本のカメラマンがたくさんいますしね。オリジナリティーを出すのが難しい。僕はドイツの取材枠で入っていますし、無理してまでは行きませんでした」
――だから写真集にも日本の写真が1枚しかなかったですね(笑)
「そうですね(笑)。日本よりも海外の選手、そしてファンを撮りたかったし、それをみなさんに見てもらいたかったので」
「ブラジルW杯ではあまりサポーターを撮らなかったんです。はじめてW杯を撮った南アフリカ(2010年)で、各メディアが美女ばかり扱っているのに幻滅して(笑)。だからブラジルは控えめにしていたので、ロシアではけっこう狙いにいって、写真集にも多めに盛り込みました。試合が終わった後も、ピッチだけじゃなくてスタンドにもフレームをかなり向けました」
――そんなカメラマンはなかなかいないですよね。とくに印象的だった試合はありますか?
「準決勝のイングランド対クロアチア戦ですかね。負けた側のイングランド・ファンがオアシスの名曲(Don’t Look Back in Anger)を歌いながら、お互いを慰め合って、そして大泣き。鳥肌がたちましたね」
――僕もその会場にいましたが、たしかにあれはすごかった。身震いしました。
「イングランドのファンはすごくエモーショナルなので、被写体として最高ですね。負けてもすごく絵になる。勝ちだけが素晴らしいわけじゃない。負けも素晴らしいんです。スポーツから敗者をとったら面白くないですよね」
――ロシアW杯は18試合を撮影したと言ってましたが、日本の試合は?
「セネガル戦(グループリーグ第2戦)だけですね。日本の試合は日本のカメラマンがたくさんいますしね。オリジナリティーを出すのが難しい。僕はドイツの取材枠で入っていますし、無理してまでは行きませんでした」
――だから写真集にも日本の写真が1枚しかなかったですね(笑)
「そうですね(笑)。日本よりも海外の選手、そしてファンを撮りたかったし、それをみなさんに見てもらいたかったので」