「ドンナルンマ騒動」の各々の思惑と誤算…“ライオラ切り”はなぜ不可能か?

カテゴリ:メガクラブ

片野道郎

2017年07月14日

ライオラ家とドンナルンマ家の結びつきの深さとは?

ライオラも今回ばかりはすべてが思惑通りにはいかなかった。しかし、最終的な契約内容は完全に選手側有利と言える。(C)REUTERS/AFLO

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 契約期間を5年から4年に短縮したのも、今後の移籍を考えれば無視できない一歩だ。契約満了を前にした移籍金の値下がりをネタに、契約延長か移籍かという代理人とクラブの駆け引きが始まるのは、通常は満了の2年前から。5年契約ならばミランは少なくとも3年間は安心できるが、4年契約となると2年後には移籍のタイミングが否応なく訪れる。
 
 その2年間でドンナルンマが期待通りの成長を遂げていれば、7500万ユーロの違約金は買い手にとってもおそらく「格安」に見えるに違いない。
 
 つまり、ライオラは今回、ドンナルンマ家に満足できる結果を持ち帰りつつ、将来の移籍で自らががっつり儲けるための土台を固めたという見方をすることも可能なのだ。ドンナルンマはまだ18歳。トッププレーヤーとしてのキャリアはまだスタートラインについたばかり。移籍のチャンスはいくらでもある。
 
 一部では「亀裂が入った」と報じられたライオラとドンナルンマ家との信頼関係も、そう簡単に揺らぐものではない。鍵を握っているのは、ミーノではなくその従兄弟のヴィンチェンツォ(エンツォ)・ライオラだ。
 
 エンツォは、ジージョがミラン入りする際に決定的な役割を果たした人物。その当時の事情はこうだ。
 
 地元のASDクラブ・ナポリでプレーしていた10代前半の頃からイタリア中のスカウトに注目されていたジージョだが、州を超えた移籍が可能になる14歳になった時、最初に本気で獲得に動いたのはインテルだった。
 
 インテルの育成部門責任者ロベルト・サマデンがクラブ・ナポリと話をまとめ、ジージョは両親と一緒にミラノに向かってインテルで5日間のトライアルを行ない、あとは契約書にサインするだけというところまでいっていた。
 
 しかし、以前からドンナルンマ家と付き合いを持っていたエンツォを通してその情報を知ったミーノ・ライオラは、すぐにミランのアドリアーノ・ガッリアーニ副会長(当時)に強力な売り込みをかけ、土壇場でのミラン入りをお膳立てしたのだ。ドンナルンマ家は一家揃ってのミラニスタであり、ミラン入りはファミリー全員にとって本望だった。
 
 エンツォはその後も付きっきりに近い形でジージョをケアしながら、ミランでのキャリアをサポートしてきた。こうした経緯もあって、ライオラ家とドンナルンマ家の間には、単なる代理人と顧客を超えた親密な関係が築かれている。
 
 U-21欧州選手権の終了後、ジージョが高校卒業資格試験をパスしてバカンスを過ごしたイビザ島でも、一行の中には常にエンツォの姿があった。
 
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