ついにミランも中国資本に…セリエA「外資参入」の背景とは?

カテゴリ:メガクラブ

片野道郎

2017年04月14日

度重なる破談を乗り越えて、何とか合意したミランの買収。

重い腰を上げ、ついにクラブの売却に踏み切ったベルルスコーニ。 (C) Getty Images

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 一方のミランも、オーナーのベルルスコーニ家が資金的にクラブの経営コストを支えきれなくなり、一刻も早く売却したいという状況に置かれてきた。
 
 ただ、こちらの事情はやや複雑で、14年頃から売却への動きが始まっていたにもかかわらず、シルビオ・ベルルスコーニがクラブの本来の市場評価額(4億ユーロ=約480億円程度)を大きく上回る金額での売却に固執したことなどから、信頼できるバックグラウンドを持った買い手がなかなか現われなかった。当初はむしろミランの買収に興味を示していた蘇寧グループも早々に手を引いてインテルに乗り換えた。
 
 代わりに、背後にどんな資本があるのか正体がわからない無名の投資家(最初はタイのビー・テチャウボン、最終的には中国のヨンホン・リー)が代表を務める不透明な投資ファンドが入れ替わり立ち替わり現われては、最終的な決着を先延ばしにしながら交渉が続いてきた。
 
 昨夏から交渉を続けている中国の投資ファンド『シノ・ヨーロッパ・スポーツ(SES)』も昨年12月と今年2月に設定されていた買収資金(5億2000万ユーロ=約624億円+負債2億2000万ユーロ=約264億円の肩代わり)の振込期限を守れず、1億ユーロ(約120億円)ずつの保証金を入れて最終的な買収手続きを先延ばしにしてきた。
 
 ファンドを構成していた複数の投資家が離れたことでSESは3月3日に設定されていた3度目の振込期限も守れず、一時は破談の可能性も取沙汰された。それでもヨンホン・リーは、『ロッソネーリ・スポーツ・インベスメント・ルクセンブルク』という新たな投資ファンドを設立したうえで、米国ヘッジファンドから資金を借り入れて、なんとクロージング(買収取引完了)に漕ぎ着けた。
 
 
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