ついにミランも中国資本に…セリエA「外資参入」の背景とは?

カテゴリ:メガクラブ

片野道郎

2017年04月14日

アメリカ的ビジネス手法を取り入れたローマは経営基盤が安定。

衰退気味にあったローマだが、今ではセリエAで優勝争いを展開するまでに復活した。その成功の裏には、新たに取り入れた経営手法の影響がある。 (C) Getty Images

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 投資家グループの中心人物で12年から会長職にあるジェームズ・パロッタは、ヘッジファンド会社を経営する金融スペシャリスト。ローマに対しては、当初から短期的な利益よりも長期的な成長を期待しての投資であることを明言しており、アメリカ的なスポーツビジネスの手法を持ち込んで経営を進めてきた。
 
 当初はルイス・エンリケやズデネク・ゼーマンなど、イタリア・サッカーの伝統的なスタイルとは異なる、スペクタクルな攻撃サッカーを指向する監督の招聘に象徴されるように、カルチョの世界に新しいトレンドを作り出そうという意欲を見せてきた。
 
 しかし、この路線を進めてきたフランコ・バルディーニSDが辞任した後は、後任のワルテル・サバティーニ(昨年9月に辞任)の下、リュディ・ガルシア、ルチアーノ・スパレッティを招聘して、よりオーソドックスなスタイルで結果を追求するアプローチに変化している。
 
 アメリカ資本のローマは、最初の2シーズンこそ7位、6位に終わったものの、その後は2位、2位、3位と常にチャンピオンズ・リーグ(CL)圏内を確保し、ユベントスを追う第2勢力のトップという地位を確立した。
 
 注目すべきは、独立採算で健全経営を保つという財政上の要請から、ファビオ・ボリーニ、エリク・ラメラ、マルキーニョス、メディ・ベナティア、ミラレム・ピャニッチと、毎年のように主力を手放しているにもかかわらず、的確な穴埋めによって戦力レベルを維持しているのみならず、チームとしての資産価値を高めていること。
 
 クラブの売上高は、11-12シーズンの1億1590万ユーロ(約139億円)から、15-16シーズンは2億1860万ユーロ(約262億円)へと2倍近くに伸び、さらに新スタジアム建設計画が本決まりになるなど、経営基盤は買収当初とは比較にならないほど堅固になった。
 
 イタリア国内(とりわけサポーターの間)ではスクデットに手が届かない現実がネガティブな評価の対象になっているが、それはユーベが経営的にも戦力的にも突出しているためであり、低迷するミラノ勢を尻目に2番手として安定した経営体制を確立しているというそれだけでも、十分以上にポジティブな評価に値する。
 
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