「ボランチ失格」からの再出発。今野泰幸を代表CBに押し上げた2009年の出来事とは?

カテゴリ:Jリーグ

飯尾篤史

2016年06月11日

ザッケローニが初陣でスタメンに抜擢。しかも、ポジションはCBだった。

当時の代表での立場は守備のオールラウンダーだったが、ザッケローニ監督と出会い、状況は一変。レギュラーとしてブラジルW杯に出場した。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 それから7年が経ち、改めて今野は振り返る。
「とにかく面白いようにパスがつながった覚えがあるし、自分も縦パスを何度も入れたし、読みを活かして守れた記憶がある。自信を持っていたんでしょうね、自分にも、チームにも。だから、そういうことが言えたんだと思います」
 
 やや硬かった今野の表情に、柔らかさが戻りつつあった。
 FC東京でCBとしての地位を確立した今野だったが、日本代表における立ち位置は、その後も大きな変化はなかった。
 
 10年の南アフリカ・ワールドカップには守備のオールラウンダーとしてメンバー入りし、右SBとしてチャンスを掴みかけたが、怪我でフイにしてしまう。出場機会を得られたのは、デンマーク戦の2分間だけだった。
 
「27歳でサブだったから、代表はもうないだろうなって思っていたんです」
 ところが、新監督の座に就いたアルベルト・ザッケローニは今野を初陣のスタメンに選ぶのである。しかも、ポジションはCBだった。
 
「守備の国イタリアから来た人だったから、ガチガチのCBを起用すると思っていたら、決して背が高くない僕を指名してくれた。びっくりしたけど、嬉しかった。結果も付いてきたから、自信がどんどん膨らんでいって」
 
 CBとして日本代表のレギュラーの座を射止めたことで、今野はかけがえのない財産を手に入れた。遠藤の後方でプレーする機会である。
 
 ザックジャパンの攻撃の多くは、左CBの今野が左ボランチの遠藤にボールを預けるところから始まっていた。
 
「ヤットさん(遠藤)は、どうすればいい攻撃ができるのかを教えてくれた。相手にマークされていても『このタイミングで、こっちの足につけてくれれば、取られることはないから』とか。僕に足りないものをすべて持っている選手からいろいろと聞けたのは、すごくプラスになりましたね。

 やっぱり上手い選手って、言葉を持っているんですよ。ヤットさんも、(中村)憲剛さんも、(中村)俊輔さんも。ただ上手いだけじゃない。考えてサッカーをしてる。結局、城福さんも同じだったんですよね。ヤットさん、憲剛さん、俊輔さんもきっと、良い指導者になると思います」
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